教え合ってつくる音読学習 その後
岡 嶋 大 輔

 同じ作品『すいせんのラッパ』(工藤直子作、東書3年)をAグループとBグループに分かれ、違う部屋に分かれて練習した様子を前に紹介した。
 その成果を発表する場として授業参観日を選び、その後の子どもの音読学習を豊かにするために、参観した保護者に、子どもたちの音読を聞いての感想を書いていただいた。
みんなで協力し合って一つのお話を読み上げたのはすばらしかったと思います。自分の場所を、責任を持って読んでいる姿が非常に良かったと思いました。また、声の強弱や、間の取り方もそれぞれが工夫されていて大変よかったです。
 良い姿勢で読めていました。本で顔が隠れていなかったので、声が前に出て、よく聞こえました。
 お話の感じを出せるように、声の強弱を付けたり、体を使って工夫したりと、一生懸命読んでいる姿に感動しました。
他にも、声の大きさ、口の開け方、読む速さ、姿勢、間の取り方、声を合わせるタイミングの取り方、体を使って読むこと、聞き方と、音読の基本的な部分に目をつけて評価しているものがたくさんあったのには脱帽させられっぱなしだった。
まだ、三年生になったばかりなのに、ぐんと成長したように思えました。これからも音読をがんばってやってください。また、今日のような発表会を参観できる日を楽しみにしています。
保護者の、子どもの成長に対する思いの深さを感じたと同時に、教師に対する期待の大きさをあらためて感じさせられた。子どもと子ども、保護者から子どもへの教え合いをめあてにやってきたつもりが、教師が教えられた部分がたくさんあった。
 これらの保護者の感想は、子どもには、かみくだいて紹介した。子どもは、それらを照れながらもニコニコしながら聞いていた。
 その後、子どもの熱烈な希望もあり、4つほどのグループに分かれ、それぞれが選んだ詩を音読することにした。前回にも増して、盛んな話し合いが続き、細かい部分にまでこだわって読み方を工夫する姿があった。
「ここは、すねた感じで読んだ方がいいよ。」
「どなるってこんな感じだよ。やってみるよ。」
 保護者からの感想のおかげで、始めは手さぐりの教え合いだったものが、今では、自信を持った着実な高め合いに変わりつつある。
(甲賀町立佐山小)