巻頭言
学 ぶ は 楽 し !
廣 瀬 童 心

 昭和60年5月より仲間と4人で、B5版26ペ−ジのミニコミ誌「まなざし」を約300部作り、ご縁のある方々に読んでもらっています。
 内容は人間の生き方を中心としてのエッセイや自作の詩などです。
 また、毎月1回「まなざし読者の会」を開いて楽しく学び合っています。
 今月は15人ほどの参加で、テーマは「愛」でした。
 その時のことを詩にしましたので紹介します。
 

煩悩即菩提
愛は歓喜である
愛は清浄光である
愛は全人格の高揚である
愛は心の深まりのスイッチを
オンにし続けることである

人は一人では生きられない
愛は比較ではない
愛は記憶ではない
愛は一期一会
愛は一如
愛はあなたとの語らいに
愛はあなたの微笑みに

宇宙はエネルギーでいっぱい
愛は無心のとき生まれる
愛は捨てているとき生まれる
愛は言葉を越えているとき
生まれる
愛は気づきのとき生まれる

愛は一呼吸一呼吸の
たった今に
生まれてくるのである
教えと学びは同じもので、学びは教師と子どもが共感の状態にあるときのみ存在しています。
 英知の本質は愛であり、鋭敏な感受性です。英知の教育をするためには、今生きている子どもをしっかりと注意深く観察しなければなりません。今生きている子どもに共感し、鋭くて明晰で健全な精神を育むことによって、表面的でない愛情・親切心・思いやりが生まれてくるのです。
 また、学ぶことは知識を習得する事とは違います。知識の蓄積しかないところでは、学びは止まってしまいます。学ぶことは行うことであり、そしてまさに行うことにおいて子どもは学んでいきます。
 新しい本来の教育は彼方にあるのではなく、今生きている子どもを教師があるがままに見つめ理解することから発見できるのです。
(大津市立粟津中学校長)