入 門 期 の 授 業 は 楽 し い
吉 永 幸 司

 入門期の授業は楽しい。何を指導しても子どもの中にとけ込むような快さがある。次の記録は連休 明けの1時間の授業の概要である。

(1) お話を聞く
 道徳の副読本に「かぼちゃのつる」があったので。これは覚えやすいので大体を覚えて話した。
 お話の後、「ちょうさんは何と言ったのかな。」とか「かぼちゃさんはいたかっただろうね。」等、粗筋や感想を求めるような発問をする。深入りはしなかった。これは、子どもが集中して聞けているかどうかを見極めるためのもの。

(2) 口の形に気をつけて声を出す
「あ・い・う・え・お」で発音の勉強である。「胸に手を当てあいうえお」から始まる詩を一緒に言う。その後、「あかるいあさひだ あいうえお」「ありんこあるいて あいうえお」「あさひがあかるい あいうえお」等「あ」から始まる言葉を板書した。「あしたは」と書き出したら「次は、(あ)からよ。」と言う子がいた。「しくみを見つけたもん」と難しい言葉が飛び出すのも一年生らしい。
 この後、教科書を読む。

(3) 「あててください」「そうです」を繰り返し、問いと答えになれる
「き○○」をフラッシュカードに書き、
「あててください。」
「どうぶつです。」
「きつねですか。」
「ちがいます。くびのながいどうぶつです。」
「きりんですか。」
「そうです。」
という話型を指導した。
 しっかり理解をした子もいたし、何のことか分からない子もいた。話す・聞くことが大事なので全員の子が問いの役割を経験するまでくりかえした。
「か○○」は「かがみ」「あ○○」は「あひる」と答えが簡単なので「面白くない」という子もあったが、全員に役割が回るまで続けた。問いと答えは話す聞くの基本であり繰り返す必要があると思った。

(4) 1時間の中のことを絵に書く
 授業のまとまりを、覚えている勉強を絵に書くことを指示した。まず名前を書かせた。名前を書いている間に鉛筆の持ち方を指導。次に絵を書くことを通して、授業の振り返りである。
 指導目的をはっきりさせて、繰り返すことが大切と感じた1時間の授業だった。
(大津市立仰木の里小)