新 し い 授 業 作 り に 向 け て
三 上 昌 男

 第4回「新しい国語実践」の研究会鹿児島大会が、「共に学び、生活に役立つ国語力を伸ばす学習活動」を研究テーマにして開催された。
 新しい指導要領が示され、キーワードとなる「生きる力」や「伝え合う力」などの言葉が、提案や協議の中で繰り返し用いられていた。また、「総合的な学習の時間」と国語科の関連について、様々な考えが述べられていた。それは、「新しい国語実践」を生み出すための取り組みであり、移行期を目前にして多くの刺激を受けた。
 ここでは、研究会に参加された方(提案者・助言者・パネラー等)の言葉を断片的に紹介しながら、私の印象を述べてみたい。

◆「書くこと」の分科会より
 相手意識を考えた文章とは、相手にとって読む価値があり、相手が喜んでくれる文章だと捉えた。
 真の伝え合いが成立するために、伝えたい自分の思いだけでなく、相手の立場や相手との関係にも配慮する視点を大切にされているのだろうと感じた。

 書く活動だけにならないよう、学習コミュニケーションが図れる場を設定して学び合いが成立するように工夫した。
 「書くこと」と「話すこと・聞くこと」との関連を大事にした授業作りを目指されていることに学びたい。

 従前の「作文」観から脱却して、「様々な形態の文章」を書かせることが求められている。多様な文章を書く機会を積極的に設ける必要がある。
 生活の場で生きて働く力を育てることの大切さを指摘されていると受け止めた。

 「生きる力」の基礎として書くことの指導を大事にしたい。なぜなら、書くことで考え、新しい自分を発見し、互いに高まり、生活を豊かにすることが多いからである。
 書くことの価値を考え、書くことをいとわない子どもを育てることの重要性を改めて感じた。

◆パネルディスカッションより
 国語科の学習体験が、成就感にあふれた「成長体験」として定着し、楽しく学び、言葉の力を付ける国語科でありたい。
 「総合的な学習の時間」に生きる国語科の学習を生み出す視点として、大事に考えていきたい。

 「総合的な学習の時間」が設定されたことによって、言語の教育としての国語科の存在意義が改めて問われることになる。
 総合的な学習のねらいには、国語科の基礎的な内容と重なる部分が多く、国語科本来の指導のあり方を見直してみたい。

 研究会では、多くの実践的課題が指摘された。授業実践を通して、追究していきたい。
(近江八幡市立金田小)