外 来 語 の 世 界 〜外来語は日本語を豊かにしているのだろうか?
川 那 部 隆 徳

 国際化・情報化が進む現代社会において、「コミュニケーション能力」の育成が国語科教育の重要な課題としてあげられる。こうした能力を育成するためには、自分の思いや考えを相手にわかりやすく伝えることや、相手の立場や考えを尊重し正しく聞き取ることを意識づけるとともに、様々な意見を交流する言語活動の場や機会を計画的・段階的に設定していくことが大切である。

 そこで、本単元では、「外来語は日本語を豊かにしているのだろうか?」というテーマについて、まず、身の回りの外来語を集め、調査したことをもとに自分の考えをもち、さらに、それらを交流する話し合いを通して「話す力・聞く力」を育成することをねらいとした学習を設定した。

◆指導計画(全8時間)
第1ステップ(2時間)
 ○問題意識をもつ…現在と過去の新聞のテレビ欄を比較して外来語をはじめとするカタカナ語の多さを知る。
 ○見通しをもつ…テーマに沿った学習の見通しをもつ。
第2ステップ(2時間)
 ○調査をする…身の回りの外来語(新聞、マンガ・雑誌、広告・説明書、店舗、街角から)を集める。
 ○調査結果の整理をする…集めた外来語を、
  @自分たちもよく使い意味も分かることば
  A見たり聞いたりしたことはあるが意味が分からないことば
  B調査して初めて見たり聞いたりしたことば、に分類する。
 ○調査結果をもとに自分の意見をまとめ、発表資料を作成する。
第3ステップ(2時間)
 ○交流会T…それぞれの調査グループごとに調査結果を報告する。(コーナーを設けてスケジュールに従って
  自由に報告を聞けるような場を設定した)
 ○交流会U…調査内容が異なる者で構成したグループをつくり、テーマについてグループディスカッションを
  する。
第4ステップ(2時間)
 ○意見の再構築…テーマについて自分の意見をまとめ、発表する。
 ○単元を振り返る…単元を通した学習の自己評価をし、学習のまとめをする。

 学習が進むにつれて子どもたちの学習意欲や成果に目を見張るものがあった。その詳しい内容は次号以下で紹介する。
(栗東町立大宝小)