文章の仕組みを読む「仮名の由来」
吉 永 幸 司
教材「仮名の由来」を読み指導内容として次のことを考えた。 (1) 仮名の由来の経緯を理解させる。 (2) 万葉仮名・表意文字・表音文字について理解をさせる。 いずれも日本語の基礎知識として大事な事柄なので、丁寧に分かりやすい指導をする教材であると思った。 授業の実際でも、子ども達の関心は、「はる(春)波留」 「なつ(夏)奈津」のような例示を楽しんだり、「はははははじょうぶだ」が「母は歯はじょうぶだ」を表すことを解く面白さに浸っていた。 授業の構成も理解に重きを置くようにした。 (1) 全文を読む。 (2) 分かったことや分からないことに線を引く。 (3) 仮名の由来についてまとめる。 しかし、学習をしている子どもの表情に元気がないのが気になった。発問に対して正しく答えはするがそれだけであるのがもどかしかった。「仮名の由来」を理解するだけならいいのだが、意欲という点では物足りなさを感じた。 授業の雰囲気を変えるために問いかけを変えた。 「この文章は読んでいて面白かったですか。」 積極的に支持をする雰囲気はなかった。この問い方ではいかにも答えにくいなと思い、 「この文章は読んでいて分かりやすかったですか。」 これには半数を超える子が反応した。 内容は興味が持てるのもあるし、そうでないものもあるが、文章は分かりやすいというところであろう。子ども達のいう「分かりやすさ」に興味があったのでその理由を発表させた。 「例がおもしろい。」 「振り仮名がついていて読みやすい。」 「大事なことが見つけやすい。」 「線が引きやすく、読んでいて賢くなったみたい。」 文章の仕組みの分かりやすさに視点を当て、子ども達の発言を整理をした。 ・文章の構成が3つになっているので分かりやすい。 ・例とまとめが合っているのでわかりやすい。 話し合いの途中から文章の構成に目が向き「仮名の由来」についての内容を深める方向にはならなかったが、説明文を解きほぐす学習にはなった。 学習の内容にゆき詰まった時の出口ではあったが、授業がピンチになったとき、視点を変える大切さを学んだような気がする。 (大津市立仰木の里小)
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