級友をつなぎ、書く喜びを共有する短作文の指導
杉 澤 周 一

 T・Tで4年生に1時間だけの短作文の指導をした。
 文章を書くことに対する抵抗を少しでも和らげ、関心を持てるようにしたいという願いを込めて、楽しく弾んで学習できるようにしようということを念頭に置いた。また、書くことや級友が書いたものを読む楽しさや喜びをも感じさせたいと欲張った。
 文章を書く目的の幾つかに、相手にメッセージを送ることや記録を残すことが含まれるという話を少しした後、1学期を振り返る作文のテーマを2題提示した。

(1) 担任の先生にお礼のメッセージを送ろう
 書くことに関心・意欲を高め、楽しく学習するための導入。
T:1学期間、担任の先生にお世話になったお礼を、口で言うのは何となく照れくさいから(児童:照れ笑い)、文章に書いて送ろう。ただ、君たちの考える力も磨きたいし、楽しく学習したいという先生の願いから次のような条件を出します。私の名前の「すぎさわ」で例を示します。

 てきな笑顔で
 らぎら目を輝かせ
 わやかな声で
 たしたちに勉強を教えてくれた
 先生、ありがとうございました。

T:すぎさわのところを担任の先生の名前に代えて感謝の心をこめて、ていねいに書いて直接、担任の先生に渡そう。

(2) 1学期にがんばったことや良かったことを書き残そう
 自分の書いた文章を級友に回す。回ってきたら、直前の文章の要点を読み取って、それに対する自分の思い・考えを書く。原稿用紙の残りが二、三行になったら書き出しの人にもどす。書き出しの人はまとめを書く。前に書いた人の文章が読み取りにくかったら、話しながらいっしょに直す。回し方は書けて起立したもの同士。

*事例
 A わたしは、歌がへたで歌を歌うことすらいやだった。でも何度も練習したら、うまくなって好きになってうれしかった。
 B でも、いつも、じょうずに歌っていたよ。がんばれ!
 C そうだぞ。がんばればできるから、これからもれんしゅうして、うまくなるといいな。
 D 歌は楽しいよ。練習すれば何でもできるよ。これからも、何事も努力。
 A みんなの言うとおり。努力して歌いがいのこともがんばる。みんなもがんばってや。

 いろんな考え・思いがあるのを知る。書いて良かったという満足感がある。要点をつかむ学習になる。人と人との温かいつながりの中に学習があるなどが利点か。
(能登川町立能登川西小)