T T の 学 習
三 上 昌 男

 本年度は、TT加配として、3年生と5年生の算数の学習を主に指導にあたっている。子どもの声によると、TTは、子どもにとって心強い学習サポートシステムであることは間違いない。子どものニーズに応え、子どもの側に立つ学習展開の工夫がどれだけできるか、本年度の私自身の課題である。

 3年生の国語で、詩の学習をTTで取り組んだ。2時間計画の授業であったので、声を出して詩を読むことを主に、グループ音読(群読)に取り組んだ。学習教材として、「ぞう」(谷川俊太郎)と「なかま」(工藤直子)を使った。
 詩のおもしろさについて全体学習でふれ、4人グループで音読する展開。みんなで読んだり、2人で読んだり、1人で読んだりするところを決めて練習する場を設定した。まずは、相談タイム。
 2人の教師が見守る中、話し合うことがはっきりしていたこともあり、スムーズに話し合いが進んでいった。具体的には、「みんなで読むところを先に決めるといいね」という助言が、効果的であったように思われる。
 子どもたちの話し合いに耳を傾けていると、こんなやりとりが聞こえてきた。(このグループは、1人1人が読みたいところを選んでいた。)
「ああ、やっぱり、ぼく、ここが読みたい。○○ちゃん、かわってくれる?」
「うん、いいで。かわってあげる。」
「ほんま。ありがとう。」
男の子は、言い出すまでずいぶん考えている様子だったが、やっとの思いで話し、かわってもらうことができた。女の子の優しさと男の子のうれしそうな表情が、とても印象的だった。

 グループごとに練習が始まると、「先生、聞いて」と言って、呼びに来る子どもがいる。子どものこのような願いにも、2人で十分対応できた。聞いてもらい、よいところをほめてもらうと、ますます練習に励もうとする子どもたちの姿が見られた。練習がうまく進められないグループには、そばに行って、「一度、聞かせてもらおうか」と言うと、協力して練習し始めた。個々のグループのよさを練習の場で認めていったことで、全体の場での発表にも意欲を見せるグループが多かったように感じる。

 グループ学習を支援するために、TTは有効である。しかし、子どもの活力やよさを引き出すグループ学習には、「グループで活動することや話し合うこと、その内容と順序を子どもがはっきりつかんでいること」が大切である。また、グループの話し合いの仕方自体を学習する場を設定する必要がある。
(近江八幡市立金田小)