み ん な の す き を 集 め れ ば
廣 瀬 久 忠

 みんなの好きを集めれば
    六の二の仲間 ウイズ 廣瀬
楽しい人がすき
おもしろい人がすき
ゲーム好きな人がすき
こまかなことを気にしない人がすき
みんなと仲良くできる人がすき
困ったときに話を聞いてくれる人がすき

きびきびしている人がすき
恥ずかしがり屋でお茶目な人がすき
心が細やかで優しい人がすき
ほんの少しこわい人がすき
どんなことでもがんばる人がすき
動物が好きな人がすき

年下には威張らない人がすき
年上にはへぇこらしない人がすき
人のいい人がすき
心の温かい人がすき
親切な人がすき
なんでもしてくれる人がすき

おもしろい人がすき
しゃべりやすい人がすき
勇気のある人がすき
元気な人がすき
どんなときでも楽しい人がすき
男だから
女だからじゃなく仲よくする人がすき

おとなしい人がすき
人を大切にする人がすき
スピードの上原多香子がすき
吉本に入れるような味のある人がすき
サバイバル系の人がすき
堂々とした人がすき

でも、やっぱり私は○○○○がすき……

 出前授業。担任のS先生からは、「子ども達の学級会の様子を見てやってください」とお願いされていた。子ども達のリクエストで私が呼ばれたなんて聞くともう両手放しで引き受けてしまう。6年の他クラスへ家庭科指導に行っているので、このクラスの子ども達にも「廣瀬って、どんなやつかな」との興味もあるのだろう。ならば、期待に応えねばと前夜考えに考えた内容にS先生の承諾もなく変更。

 クラス合作の詩を作ろうと企み、導入は「赤い実はじけた」の話題。
「はじけた意味のよく分かる人、分からない人もいるだろうけれど」と言うだけで彼らがのってくる話題だなと手応えがあった。
「どんな人が好き」とそれぞれ無記名で書かせる。案の定、外見に関わるものが続出。『外見のまやかし、危うさ』を話すと子ども達は自分の経験を話し出す。
 そこで、「では、人が持つ内面の『すき』を書いてごらん」と無記名で書かせたものを並べたのが冒頭の作品。
 外見から抜け出せない子もいるが、六の二の子ががどんな仲間の集まりにしたいのかが見えてくる。ランダムに読んでいく。
「居心地がよくて、自信を持って自慢できるクラスに……」
「それぞれのよさを見つけよう」
「でも、自分の○○を大切にもしよう」と締めくくった。ここまで30分。後は、学級会。
 帰りまでに印刷して子どもに配る。出前授業もまた楽しからずや。
(石部町立石部南小)