ス ー ホ は 幸 せ か 不 幸 せ か
岡 嶋 大 輔

 物語「スーホの白い馬」(光村2年下)を扱った学習。話の内容をつかむために、7つの学習課題を設定した。
(1)スーホはどんな少年でしょうか。分かることをどんどんさがそう。
(2)白い馬はどんな馬でしょうか。分かることをどんどんさがそう。
(3)スーホと白い馬がなかのいいようすを、どんどんさがそう。
(4)とのさまはどんな人でしょうか。分かることをどんどんさがそう。
(5)スーホととのさま、どちらが強く白馬のことを「すき」なのでしょうか。自分の考えを出して話し合おう。
(6)スーホは、馬頭琴をひいて白い馬を思い出します。自分の思い出のものをしょうかいしよう。
(7)このものがたりで、スーホはしあわせだったのでしょうか。ふしあわせだったのでしょうか。自分の考えを出して話し合おう。

 (7)では自分の考えをもとにして「しあわせ」側と、「ふしあわせ」側に分かれて交互に挙手をして発言するようにした。また、途中に、友達の意見を聞いて自分の考えが変わったら席を移動しても構わないというようにした。そして、話すときの約束として、
 ・喧嘩ごしにならないで、丁寧な 言葉で話すこと。
 ・相手の話を静かに聞いて、なる べく受けて話をすること。
を伝えておいた。

「大好きな白馬がとのさまにとられてしまったので、しあわせではないと思います。」
「でも、スーホに会いに、もどってきたよ。」
「また、会えたかもしれないけれど、すぐ死んでしまうんだよ。」
「死んでしまったけど、ゆめで会えたし、馬頭琴があるからすぐわきに白馬がいる気がしたって書いてあるよ。」
「だけど、自分のかっているペットがころされたらしあわせとは思わないよ。」
「ころされてしまったときは、ふしあわせだけど、白馬といたときはとてもしあわせだよ。」


 教師が子どもの発言を交通整理しながら話は進む。約束もあってか、白熱はするも言い合いのような嫌なムードはなかった。
「死んでも心がつながっていると思える人物と出会えたのは幸せだ。」
というような内容のことをいう子どもが出てきたのも驚いた。
 どちらか一つに決めるための話し合いではなくて、自分はこう思うということを出し合って、いろいろな角度から考え、深く読める、そんな話し合いのある授業をめざしている。
(甲賀町立佐山小)