対 立 討 論 会
三 上 昌 男

 2学期も終わりに近づいた頃、
「もうすぐ冬休みだね。冬休みには、クリスマスとお正月があるけど、どちらが好きですか。」
という問いかけをしてみた。4年生の学級の子どもたちは、堰を切ったように口々に話し始め、たちまち教室は、騒然となった。「これはいける」と思い、対立討論会を提起したところ、子どもたちは大賛成であった。

 まず、どちらの側に立ちたいかを挙手で確かめた。ほぼ同数になったので、調整する必要がなくなった。
 ”相手側にないよさをたくさん見つけよう”をめあてに、一人ひとりが考える時間を持った。
 クリスマス側約10名、お正月側約10名、審査員約20名という構成にして、どの子も討論に参加できるように、2回に分けておこなった。

 討論会は、両方の代表3名ずつが、それぞれのよさについて発言することから始めた。その後は、挙手による発言を促し、全員が意見を述べる場を確保するようにした。また、途中で、相談タイムを設け、討論の最後には、代表によるまとめの発言を求めた。審査員は、討論会の終わりに感想を話し、どちらが優勢であったかを判定するため、メモを取りながら聞くことにした。

「クリスマスには、サンタクロースの言い伝えがあって、夢があります。」
「お正月は家族みんなが休みで、ゆっくりできます。」
など、相手方にないそれぞれのよさが次々に語られた。
「お正月には、年賀状を出したりもらったりできるけど、クリスマスにも、クリスマスカードがあります。」
「クリスマスには、クリスマス会で友だちがたくさん集まれるけど、お正月には、親戚の人にたくさん会えるので楽しいです」
など、相手方の意見を受けた発言も生まれた。
「クリスマスには、お正月より歌がたくさんあります。」
「クリスマスは1日だけど、お正月は何日もあります。」
など、相手側を上回るよさについて発言することもできた。

 討論を聞いていた審査員からは、誰の意見や話し方がよかったかについて、感想が語られた。どちらもいい意見がたくさん出て、判定に困っている様子であった。

 討論会を終えた子どもたちは、
「いろんなよさがあるんだなあ。」
「また討論会をやってみたい。」
という思いを私に話してくれた。今後も、話し合い学習の場を多様に展開したい。
(近江八幡市立金田小)