言 葉 と 言 葉 を つ な ぐ
北 島 雅 晴

 風光明媚な河口湖のほとり。雄大な富士山を背景に、第3回「新しい国語実践」の研究会が開催された。天候にも恵まれ、富士山と河口湖とを常に眺めながら2日間を過ごすことができた。地元の先生方の温かいお心遣いと河口湖畔の風景に感謝したい。

 研究会についての全体的な印象だが、総合的な学習への関心がきわめて高く感じた。分科会6は総合的な学習がテーマではあるが、それ以外の分科会でも総合的な学習を踏まえた実践が多く見られた。
 一口に「総合」といっても、大きく分けて次の三種類に分けられるように感じた。

(1)新設される総合的な学習の中で国語の力がどのように位置づくかを提案した実践
(2)従来の国語科の学習の中に、総合的な学習の要素を取り入れた実践
(3)「話すこと・聞くこと」「書くこと」「読むこと」といった国語の力を総合的にとらえた実践

 (1)と(2)については、実践者の立つ立場が違うので、ずいぶんと異なった実践になることも多い。(3)については、前記の二つと発想は違うが、結果的に(1)や(2)の実践に近いものになることもある。

 「総合」の発想を踏まえた実践には魅力がある。子どもがいきいきと活動する姿が見られ、教師にもやり甲斐が出てくる。しかし、「総合」に関心が高まってくるとその反対のことを考えたくなる。国語の授業として、本来やらなければならないことは何だろうか、と意地を張りたくなる。(決して総合的な学習を否定しているわけではない)

 全体会の中での須田実先生の言葉が実践のカギを握っている。「言葉と言葉の結合を学習する」ということを自分自身の実践の基本にしたい。子どもが主体的に言葉に関わろうとした時、国語科本来の学習になると考える。
 〇複数の言葉をつないで一つの考えを作り出す。
 〇登場人物の考え方や生き方と言葉とを関わらせて考える。
 〇言葉が作品全体に与える役割についてとらえる。
 〇感想の根拠となる言葉を見つけそれをつなぎ合わせてさらに考えを深める。
 〇作品の中から記憶に残しておきたい好きな言葉を見つける。

 言葉と言葉の結合とまではいかないまでも、以上のような学習の姿が生まれるような授業作りをしたい。地味でいいから静かな満足感がのこる授業を。そんなことを考えた2日間であった。
(草津市立草津第二小)