巻頭言
人 と こ と ば を 結 ぶ 場  ―インターネット―
堀 江 祐 爾

 「さざなみ国語教室」のホームページがインターネット上に開設されたと聞き、さっそく訪問してみた。
 そこにはみごとな〈さざなみワールド〉が広がっている。「図書紹介」「教育関係リンク」などの情報提供に加え、注目すべきは、「さざなみ国語教室」の稿がそのまま掲載されていることであろう。
 これはありがたい。その時にはピンとこなかったことであっても、授業の構想をねっている時などに「あっ、これに関して『さざなみ国語教室』に書いてあったな」とその情報が必要になることがある。そうした時には、ホームページにアクセスしさえすればいつでもその情報を取り出せる。

 「さざなみ国語教室」の人たちが生み出した〈さざなみのことば〉が、インターネットという場を通して、より多くの人と結びつき、強い影響を与えていくであろう。
 例えば、今回私は、記念すべき「さざなみ国語教室」第二〇〇号に載せられた、倉沢栄吉先生の「真の楽しみ」という文章に出会うことができた。倉沢先生の味わい深い文章を通して、「僕は/楽しくて/得になることしか/しません」という永六輔氏のことばを知り、深い感銘を受けた。

 インターネットを通してもたらされる情報には、たくさんの画像情報が添えられているが、それに増して多くの言語情報が含まれている。インターネットは、〈人とことばを結ぶ場〉だと言っても過言ではあるまい。
 ことばと人が結びつくことによって、ことばはことばとなる。人は〈より多くの人とことばを結ぶ場〉を求め続けてきた。書物、新聞、ラジオ、テレビというように。そして今、新しい〈人とことばを結ぶ場〉として現れたのが、インターネットである。

 さっそく私の研究室のホームページ(http://www.soc.hyogo-u.ac.jp/gengo/yujhorie/index.htm)と「さざなみ国語教室」のホームページとをリンクさせていただいた。私の研究室のホームページを訪れた人は、すぐに「さざなみ国語教室」のホームページへと飛ぶことができる。
 〈さざなみのことば〉との出会いを楽しんだ人は、今度は「教育関係リンク」を使い、さらなる〈ことばとの出会い〉を求めてインターネットを旅していくであろう。
 次々に〈人とことば〉が結びつけられていく、それがインターネットの最大の魅力なのである。
(兵庫教育大学)