国 語 が 楽 し い と い う 瞬 間
北 島 雅 晴

 「一目で分かるノートを作ろう」という課題で、説明的文章の学習を進めた時のこと。時間のほとんどが個別学習になるのだが、Aさんが、
「私、こういう勉強は好きや。発表するのはにがてだけど、自分で書いてまとめるのはおもしろい。」
とつぶやいた。Aさんは、自分から挙手して発表をすることはほとんどないが、個別学習の時は全く話さずに学習を進める。

 B君とCさんが、話し合いの時に、活発な議論を始めた。同じく「一目で分かるノートづくり」でのこと。
B:まゆみさんのまとめかたで悪くはないけど、もう少し短くできると思います。
C:B君に反対するわけではないけど、まゆみさんのはいらない言葉をけずって、大切な言葉を上手につないでいるからいいと思います。B君に聞くんだけど、どういうふうに短くするんですか。
B:たくさんの地域が出てくるから「世界」としたり、矢印でここをつないだりしたらいいと思います。
C:でも、「世界」といってしまうと、ここに入らない国もあるのだから、おかしいと思います。
 この後、二人のやりとりが続く。授業後、B君が、
「今日の国語は、すっきりした。自分の言いたいことが言えたし、もっと話したかった」
と、話しにきた。

 日記を毎日書かせている。Dさんは、文章を書くことが好きだと言っていたが、日記の書き方がしだいに雑になってきた。ある時、「創作日記」という取り組みをした。友達の考えた題名を使ってお話を作るものである。Dさんは、一つの話を一日に二ページずつ、三日にわたって書いてきた。「Dさん、いい話を作るんだね」と素直にほめた。

「国語が楽しい」という言葉は、子どもの口からはなかなか聞かれない。しかし、自分のやろうと思っていることがイメージどおりできたとき、「楽しかった」と話したり、話さないまでもすばらしい表情を示したりする。
 Aさんの集中力、B君やCさんのエネルギー、Dさんの得意分野での学習等、一人ひとり楽しさを感じるところは違うが、それぞれの瞬間を見逃さないようにしていくことが大切であろう。夏休みはこの瞬間を作り出していくための研修(充電)期間にしていきたいと思う。
(草津市立草津第二小)