才ノ神の由来と信仰

 
才ノ神を祭る祠御神木の欅才ノ神の藤 全景

 藤棚の下のケヤキの根元には小さな祠が祭られています。
 信仰の歴史は古く、第十代崇神天皇の時代にさかのぼります。 当時、四道将軍丹波道主命が、この地を巡視されたとき、蟻が群がっているのをみて、「近くに人里があるに違いない」と、供の者に村里の在りかを探させたところ、道のほとりの大木の根元にある石を拝む老人がいるのを見つけました。 不思議に思った供の者が「いずれの神様か」と尋ねたところ、老人は「才ノ神」と答えました。 供の者がこのことを命に伝えると、命は驚き、「畏れ多い」と直に駆けつけ拝みました。これよりこの地を蟻道(有路の語源)の里と呼び、この神を祭って「才ノ神」としてあがめるようになったと伝えられています。
 また、第十ニ代景行天皇の妹倭姫の命が三種の神器を奉じて丹波与謝の宮におられたとき、この地を通り、「才ノ神」を祭ったとも伝えられています。
 それ以来、「才ノ神」は叡智の神として、何事によらず祈願すれば叶えられ、道を問えば行き方を示され、道理を問えば筋道を明らかにされる、更に道祖神として旅や航海の守護神、婦人病、縁結びの神、安産の神、子孫繁栄の神としても信仰を集めています。
 戻る(藤の花と花祭り  次に進む(藤の花写真集)  HOME