悪餓鬼日記帖:なにぃ、文句あっか!

13.06


2013.06.30:

今日は月末と同時に半年が過ぎたことになる。
仕事も決算の区切りが付いたので一段落。そのせいで緊張感が取れたのかどうかは不明だが、昨夜は9時ごろに猛烈な眠気が襲ってきて日記も書かずに轟沈。
今年は毎回NHKの大河ドラマを見ている。いつも年初めの数回を見て引き続き見るかどうかを決めるのだが、「八重の桜」はその価値ありとの判断である。幕末から明治にかけて生きた女性の生涯としてはやや異色ということもあるし、主役の綾瀬はるかも不思議な魅力がある。
今日はいよいよ鶴ヶ城での決戦で八重が戦闘に加わる場面。白虎隊の自刃もあった。このドラマのひとつのクライマックスである。
そもそも新島八重(旧姓山本)の生涯の主要な部分は新島襄との結婚にあるのだが、銃を扱う女性という側面が強調され、NHKの事前の宣伝でも銃を握る八重の姿を映していている。「男勝り」を実践したことを物語の中心に据えているのだが、現時点でクライマックスを作ると後の新島襄との暮らしぶりはどうするつもりなのか気になるところである。

2013.06.28:

19日に書いたコンテナ船の海難事故、2つに割れた船体のうち、船尾部分が27日、約1700個のコンテナと共に沈没した。
残る船首部分は曳航されてアラビア湾方面に向かっている。
やはり残念というしかない。折角作った品物が目的地に着かないうちに失われることは忍びない。こういう事故があるから海上保険が存在するのだが、実際に起こると保険ではカバーしきれない気分のまずさが漂う。
ところで事故原因はまだ不明確なまま。
船主、船級協会、船を作った三菱重工・長崎造船所などが中心になってこれから協議するという。とりあえずは沈没したMOL COMFORTの同型船6隻の運行を中断してドック入りさせ、補強工事を行うことが決まった。
海難事故は怖い。今回は犠牲者が出ずに済んだが、先日は太平洋で漁船が自動車運搬船と衝突して船長が行方不明になっている。

2013.06.27:

中近東に物を送るときによく出てくる話が領事査証。輸出国での原産地証明あるいはインボイス(送り状)に、その国に駐在する領事が裏書をするシステムである。要求する国は圧倒的に中近東が多い。
原産地証明の偽造を防ぐことと、イスラエル・ボイコットの意味合いもあるのだが、事務が煩雑になってやりにくい。領事の仕事も増えるから大変だと思うのだが。
そんなことからこの制度は廃止の方向にある。数年前にはサウジアラビアが止めた。むしろサウジは港での作業に関わって最近輸入貨物の梱包形態に制限を設けた。
これは私も悪質だと思うのだが、梱包もせずにコンテナに直接品物を詰め込んで送り込むことが頻発し、作業員も大変だし、荷物が散らかって収集がつかなくなっていたのである。それでサウジの港湾当局は業を煮やして、梱包していない、あるいはパレットにすら乗せていないものは有無を言わさず返送するとのお触れを出した。返送の費用はもちろん輸出国の荷主負担である。
ウチの会社の場合は機械品なので、破損を防ぐために頑丈な梱包をするので実害はない。問題は雑貨類だろう。
港を出入りする貨物はさまざま。チャンスがあれば次は危険物の扱いについて書く。

2013.06.26:

昨日の話だが、日記を書いた後に担当者本人からこっそり私にだけ謝罪のメールが来た。しかし謝罪の言葉と同時に、書類を送ったのは別の人間で、本当は金曜日に送ったのに送付状のコピーをもらったのは昨日だった、としっかり言い訳を書くことを忘れていなかった。
フランス人は実にこういう言い訳を付け加えることに長けている。しかし金曜日に書類を送ることは彼も知っていたはずで、「ちょっと見せろ」と言えば間違いに気付いたはずである。
私はこそこそ私だけに言い訳のメールを書いてきたことに猛烈に腹が立った。よってこれまでの能力のなさを事実挙げて指摘し、BCCで彼の上司他にも送った。
その効果があったのか、上司からは一切の言い訳なしの詫び状と、問題があれば私に言ってくれとの簡単なメールが来たのである。
冷静かつボロクソに相手をけなす英文を考えるのは大変である。だがそれが上司に伝わったようであるから、よしとしよう。

2013.06.25:

3月くらいからフランスのメーカーに中東へ送る品物を作らせていたのだが、できの悪い担当者のせいですべてがうまくいかず、結局納期は2ヵ月半の遅れになってしまった。
まず最初のつまづきは納期。発注した納期に対して何の説明もなしに請書では1ヶ月遅れを宣言してきた。しかも納期の前になってずるずる予定を延ばし、結局船に積んだのは2ヶ月遅れ。
しかもそれだけでは済まず、今度は提出すべき書類が不備の連続で書き直しを何度も命じたためにさらに半月の遅れとなった。
この担当者の致命的な欠点はこちらの指示をまったく無視すること。加えて、こちらのメールに対して「イエス」とも「ノー」とも言わず、返事を先延ばしにするのである。そして出てきた回答はこちらの指示通りになっていないのである。
私は何度もクレームを書き、しかもそれを相手の会社の関係者にコピーを落とした。しかし誰からも指摘を受けなかったようで、まったく改善されず。そして極めつけは、今週末には銀行に出すべき書類を送らせたら宛先が指示通りになっておらず、送り先の会社の住所だけで、担当者名も電話番号も書いていなかった。
さすがに私は最後通牒とも言える面罵の言葉を書き綴り、関係者にコピーを落とした。暗に「お前にはこの仕事をこなす能力がない」というニュアンスを込めたのである。言っておくがこれは個人的な腹いせではない。会社として無能な人間を表に立たせるな、ということを言いたいだけである。

2013.06.24:

昨日の東京都議選、やはり自公が圧勝した。原因については色々な人が発言しているので素人があれこれ分析することはやめる。しかしざっと見た印象は、民主がボロ負けした分を自公と、反アベノミクスの受け皿のかなりの部分が共産に流れて、それぞれ分け合ったということになるだろうか。
それはともかく、気になるのが投票率が前回より10ポイントも下がったこと。「政治なんか面白くない」ということで権利放棄したのだろうか。それでは悲しすぎる。
議会制民主主義では選挙が国民にとっての最高の意思決定のチャンス。数ある立候補者の中から意中の政党・個人を選ぶことができる。もしそれ以外の選択肢が必要ならば個人でも、徒党を組んで新たな政治団体を作って立候補しても良いのである。

2013.06.23:

今日は何かと話題が多い日。
ひとつは富士山の世界遺産登録が決定されたこと。今まで登録されなかったのがおかしいくらい、国内外から日本を象徴する存在として知られていたので、当然の成り行きだろう。
2つ目は沖縄慰霊の日。組織的戦闘が終わり、島民の約4分の1の命が奪われる激しい戦闘が行われた。そして特徴的なこととして、軍が民間人を放棄し、自決するように仕向けたこともある。捕虜になることを恥として教育したことから、多くの若い女学生の命が絶たれたことは悲劇以外の何物でもない。そんな戦争を二度と起こしてはならないという沖縄の人たちの教訓は今後も受け継がれるだろう。
さて、最後は東京都議選。
どうやら民主は惨敗、自民プラス公明が過半数を取るようだ。また維新の会は予想通り下降気味。その中で共産が大きく伸びそうだ。
来月の参院選を前に、その結果は参院選を占うものとして影響は少なくないだろう。

2013.06.22:

昨夜は困ったことが起こった。
食事の支度に手間取ったため、食事で吸収された糖分が血液に回る前に、その前に打ったインシュリンが効いてきて猛烈な低血糖を起こしてしまったのである。昏睡までには至らなかったものの、気分が悪くなって座ることすらままならず、1時間以上布団に横たわっていた。そして結局は朝までそのままとなった。
実は先月から処方されるインシュリンの種類が変わって、吸収が早いタイプになった。以前は食事の半時間前に注射すればよかったのだが、今は食事の少し前に変わった。だがこの「少し前」が曲者で、食事の支度の途中で注射を打つのが面倒だからということでやや早めにしたのが裏目に出たのである。
これまでも注射のタイミングが悪くて低血糖で若干気分が悪くなることはあったが、昨夜のような強烈な症状は初めて。ひとつ間違えると脳にブドウ糖が回らなくて昏睡から死に至ることもある。
事実、老人にインシュリンを大量注射をした、看護師による殺人事件も起こっている。
だから注射のインシュリンは劇薬指定になっている。

2013.06.20:

昨日書いた海難事故の話、会社の関係者が知っていた理由がわかった。実は本人が船積を担当していた貨物が事故にあった船に乗っていたのである。
本人にすればこんな大事故に関係していることを自ら口にするのは気が引けたらしい。彼が担当していた事実を、私は乙仲の担当者から聞かされた。事故の責任はもちろん彼にはない。しかし事故の事実や今後の対処について客先に連絡したりしているうちに次第に憂鬱になってきたものと思われる。
このあたりはいかにも日本人らしい。私なら「天変地異は仕方のないこと」と、極めて事務的に処理しているだろう。
誰しも事故を期待しているわけではない。だが「何で私が巻き込まれないといけないのか」と、余計な仕事が増えることに気が進まないのは理解できる。

2013.06.19:

昨夜ゲストブックに書き込みをされた「六百屋D」さん(懐かしい方だ)によるコンテナ船事故の話、今日会社でも何人かの関係者が事件のことを知っていた。
ネットの情報を総合するとこういうことである。
17日のこと、シンガポールから紅海のジェッダへ向かっていた商船三井所有のコンテナ船"MOL COMFORT"号(約9万トン)は、アラビア半島はるか沖のインド洋上でシケのために船体が中央部から折れ曲がった。(写真右)
乗組員は全員退避し、付近を航行する船に無事救助された。
船体はその後折れ曲がった部分から真っ二つに割れ、現在両方ともインド洋を漂流している。船主の商船三井は曳航船を手配し、現場に向かっているという。

この船、実は私も多少の縁がある。
この船は日本と欧州を結ぶ定期船で、ごく稀に寄港地である中東向け輸出貨物を運んでもらっていた。また、先月は私が手配したヨーロッパからの輸入品を神戸まで運んでいた。事故は日本を出て再び欧州に向かっていた途中に起こったのである。
さて、船体が割れた船は一旦どこかの港に持って行き、まずは積荷を降ろすと同時に事故原因の調査に入ることになる。
その後、無事な貨物は目的地まで別の船で運ぶだろう。破損あるいは落下・沈没したものは海上保険金が出るので、買主と売主の間で再手配するなりの話し合いに入る。
船体自身は損傷の程度に応じて廃船、あるいは割れた部分を繋いで復活させることも可能である。火災を起こしていないので鉄板は変質してないと考えられるからである。もちろんこれにも保険が下りる。
インド洋のシケは怖い。私が知る限りでも沈没、軽くても船体がヒビだらけという話を耳にしたことがあるくらいだ。

2013.06.18:

今日は梱包が出来上がったのが3連発。早速船の手配。向け先は中国が1件、中東が2件である。いずれも7月に入ってから神戸出港する。というのも4半期決算の関係で6月中の船積を避けるためである。
本当は中国向けで大口が2件あるのだが、相手の会社の都合で船積を待ってくれとの依頼。ウチの会社としては置く場所が少ないので早く出したいが、そうも行くまい。
それはともかく、今年の6月末決算は件数が少ないので割合と楽である。

2013.06.17:

ウチの会社からは神戸港の西側、ポートアイランドから和田岬にかけての風景が見える。出入りする船の多くはポートターミナルや中突堤に停泊する客船あるいは遊覧船。他には川崎重工と三菱重工で作られた潜水艦を含む新しい船(三菱は去年商船建造を停止)がある。
また時としてバナナの入った冷凍コンテナを積んだ「リーファー」と呼ばれる船が兵庫突堤に入る。その昔はリーファーではなくて船倉丸ごとが冷蔵庫になっている通称「バナナボート」が使われていた。
しかし先日見た珍しい船は、ロシアのRO-RO船(巨大なフェリーのようなもの)。通常フェリーなどは船の前や横からランプが出てくるものだが、このロシアの船は船首部分が丸ごと上に跳ね上がる形式。貨物専用の大型飛行機と同じ構造である。
こうした港の風景は昔と変わった。いちばん大きな出来事はポートアイランドの西側は阪神大震災からしばらくしてコンテナ船の出入りがなくなったこと。コンテナクレーンも撤去された。そして先に書いたように三菱が商船建造を止めたことだろう。
ところでいつも見ている風景で不思議と言うか、おかしな船が走ること。港巡りの遊覧船で帆船をデザインしたものがあるのだが、いつも帆を張っていない。勿論理由は簡単で、エンジンとプロペラがあるから帆は不要なわけなのであるが、帆を張っていない帆船はどう見ても不自然である。

2013.06.16:

今日は父の日。
とはいっても息子は何食わぬ顔。小さいときから毎年のことである。
私としては別に何かが欲しいわけでもないし、やって欲しいことがあるわけでもない。だがちょっとした感謝の言葉だけでも口にしたらどうだと思ってしまう。
母親のように生まれてすぐに授乳させるとかの子供と密着した生活をしたことがない父親は、やはり子供とは距離を置いてしまうもの。子供の方も父親べったりなどということは考えられないようだ。

2013.06.14:

今週の大きな話題はプロ野球のボールをめぐる問題。
2011年シーズンから球団ごとに決めていたボールを国際大会に合わせるという目的と合わせて12球団共通のボールに変更した。それまで使っていた球に比べて飛ばなくなったという声もあったが、とにかく統一化は成功した。しかしである。
今年からまた飛ぶようになったという声が出始め、選手会も問い合わせていたが、野球機構のコミッショナー事務局は「変えていない」との回答。メーカーのミズノも変えていないとの回答をしていた。
ところがこれが嘘ということが今になってばれたのである。実際は変えていた。
選手会の正式要請で11日の話し合いの場で嘘だったことを明らかにした。ミズノにも嘘を言うように指示していたのだ。
しかも13日のコミッショナー自身の記者会見では、ボールを変更したことに謝罪しながらも「隠蔽や不祥事でない」と居直った。さらに「私は知らなかった」とまで言い切ったのである。これが球団関係者だけでなく、ファンや世間一般からも猛烈な批判が出た。
実際にプレーする選手にも告げず、嘘を言い続け、知らぬ存ぜぬで押し通そうとする姿勢は当然辞任ものである。しかしコミッショナーは辞めるそぶりはない。だがこれはどう考えてもレッドカード、退場!!である。
そうでなければフェアプレーの大切さ、野球の面白さを子供たちに伝えることはできない。

2013.06.13:

暑い!今日はとにかく暑い!!
頭が回らないので今日はこれだけ。

2013.06.12:

台風は神戸に近づかないというものの、朝から強風で出勤に一苦労。特に会社付近、そして門をくぐったら突風で飛ばされそうになった。会社は海岸べりで吹きさらしの土地。加えて高層ビルになっているから壁のそばはビル風になって風速が大きくなるのである。
さて、昨日書いた船のスケジュールだが、台風の影響以外でもすでに1日程度の遅れが生じているのだが、台風で更に遅れるのかが焦点。
そんな中、船の遅れを聞きつけた営業が「客からこっぴどく怒られたじゃないか、どうしてくれる」とメールで怒鳴り込んできた。しかも船をキャンセルして航空便にせよとまで言い出した。
冗談ではない、出港を前に貨物は既に船会社に預けて(これをカット日と言い、出港の数日前で引取りを締め切る)おり、後戻りは不可能。相も変わらずの営業の土下座の姿勢には呆れるしかない。
常に客の無理難題を社内に押しける営業って、一体どこの会社の社員なのだろうか?

2013.06.11:

どうやら明後日くらいに台風が近づきそうだ。
数年前くらいだろうか、6月末に台風が直撃して驚いたものだが、今年は直撃はなさそうなものの、早すぎる接近である。
まずいことにその頃にウチの貨物を運ぶ予約をした船が神戸に向かって来る予定。
現在東京港に停泊中で、明日は横浜、明後日は名古屋に行くことになっており、このままではどこかで足止めを食う可能性大。
そうなると営業がわめきだしそうだ。船のスケジュールの不確定性がまったく眼中にない客と、それに輪をかけて無知な営業が組んで納期が遅れるなどとごちゃごちゃ言いはじめるのが目に見えている。
もし文句をいってきたら、「やかましい!文句があるなら台風に言え!」と逆襲するつもりである。

2013.06.10:

この週末は日記のネタが思いつかず休刊。
今日からJR東日本では歩きながらのケータイ・スマホを使わないようにと、ポスターの張り出しや駅でのアナウンスを始めた。
この頃は本当に歩きながら画面を見続ける人が増えた。若者だけではない、年配者も目立つ。当然他人とぶつかることが多くなっている。それだけでなく、駅ホームからの転落事故が増えているのは事実。先月もJR四ッ谷駅で小学生がホームから転落して怪我をした。このまま事故が増えるようだと怪我どころか死亡事故にもつながる。それがJRの危機感につながったのだろう。
ずっと前にもこの日記に書いたが、若者に良く見られる「歩く四畳半」も遂にここまで来たか、という感じがする。
公共の場所では避けられない周囲との接点を嫌い、ひたすら自分の世界に閉じこもろうとする姿勢が、他人どころか自らの身の安全すら守れないというのは、何という矛盾だろうか。

2013.06.07:

ある火力発電所から受注した数百万円する機械部品、納入を待ってくれと言われたまま1年近くなるが、やっと納入してくれとの連絡があった。但し納入場所は発電所構内ではない、産廃業者である。
こんなことになった原因は、一部が破損したその部品を何とか自力で修理し、念のため新品を買っていたものが不要になったためである。
次に壊れたときの予備として置いておけばよさそうなものだが、長期にわたって保管すると不良資産となって決算・税法上好ましくないので、それよりもくず鉄として売ったほうが得という勘定である。
現在の相場はトン当たり3万円以上、悪くはない。
しかし機械部品を売る方としては気分はあまりよくない。折角作ったものを無造作に捨てるのはもったいない気がするからである。
以前私がいた工場・事務所ではこんなことがあった。数億円する船舶用大型機械を受注したので、原材料を仕入れていた途中、客の造船所からキャンセルの申し入れがあった。
売れることを当て込んで船を一隻見込み生産をしていたのだが売れ先が見つからず、船の生産をストップしたのである。そのあおりでこちらもキャンセルとなった。仕方がないのでこちらは既に買った材料費からくず鉄として売れた分の差額、それに設計費を加えたものをキャンセル料としてもらった。しかし後味は極めて悪かった。

2013.06.06:

梅雨入り宣言の後、ずっと雨らしい雨が降らない。気象関係者の間ではこういうのを「梅雨のズル休み」と称するそうである。初めてこの話を聞いた時、思わず笑ってしまった。
それはともかく、神戸のこの先1週間は曇りはあっても雨が降る予報にはなっていない。もし降水量が少なければ、琵琶湖の渇水が危惧される。断水にはならないだろうが、水道水の臭いがやや目立つようになるだろう。
雨が大量に降っても困るが降らないのもまた困る。自然現象は人間がそう簡単にコントロールできるものではないので、ひたすら勝手な願望をつぶやくしかないのである。

2013.06.05:

安倍首相が「成長戦略」と称してアドバルーンを揚げた。曰く「民間活力の爆発」と。
しかし中身は底割れしていて、結局は札束を企業にばかりばら撒いてバブルをあおり、逆に庶民を苦しめるものに過ぎない。彼は徹頭徹尾企業のことに血道をあげるばかりで、庶民の所得を増やしたり福祉を充実させることは絶対にやらない。保育所を増やしたりする話も一見良さそうに見えるが、実際は民営のものを増やすだけだから、利益追求と競争で保育の質が落ちることを防ぐことはできない。
国民所得を増やすGNIとても、海外からの利益などを勘定に入れているだけで、それが労働者に回る保証はない。大抵の場合、まずは企業が海外生産で得た利益として入るが、それがベースアップとして還元されるはずもなく、ほとんどは内部留保に回るだけ。しかも現在は国内の投資先がないために設備投資も増えず、結局はそのまま内部留保としてとどまるか、バクチ経済の資金とか海外生産に回るしかないのである。
とにかくアベノミクスは日銀の札を大量に刷らせて企業にバラマキする手法から一歩も出ていない。だからこそ今日の東京株式市場は何の反応も示さなかった。逆に500円以上の値下がりである。
鮮やかな花びらばかりに水をやりすぎたら腐るだけで、土に水をやらなかったら植物は枯れるのである。

2013.06.04:

今日は東京で不発弾処理があり、新幹線などが一時運休した。
今回見つかったものは旧日本軍のものだが、やはり多いのは米軍が空襲で使ったもの。関西でもたまに見つかる。だが圧倒的に多いのは沖縄。「鉄の雨」と称されるほど大量の砲弾が打ち込まれたのだから、地中にめり込んだ不発弾は相当な量になるはず。だから沖縄の自衛隊には常設の処理専門部隊が存在する。隊員は大変だろう。
戦後70年を経過しても未だ戦争の遺物が出てくるのは何とも言い難い。ベトナムでも地雷や枯葉剤による被害が終わらない。
戦争は終わってもいつまでも庶民を苦しめる。

2013.06.03:

維新の会の幹部と言うのは勝手な断定と独断で満ちている。今度は松井大阪府知事が突如としてオスプレイを大阪に持ってくるよう政府に申し入れると言う。
早速対象の八尾飛行場を抱える八尾市長が反発した。当たり前だ。住民の声も関連する自治体にも諮らずに勝手な行動をされてはたまったものではない。
権力を握ったら何をやっても構わないというのは民主主義の破壊だ。たとえ選挙で選ばれたとは言え、その権力を何でもかんでもその個人の思い通りに使うことは許されない。彼に投票しなかった人たちの意思を一顧だにせず、踏みにじっても良いということがまかり通ったら、住民の間の抗争にまで発展しかねない。
こういう独断の持ち主が最近目立つようになった。竹原元阿久根市長、河村名古屋市長など。安倍首相もそれに近い。アベノミクスはまさに彼の勝手な独断に基づく。
大手マスコミはこのような独断をまったく批判しない。逆に橋下のような人物を「第3極」などともてはやすくらいだ。しかしこういうことが行われている限り、日本の民主主義には未来がない。一刻も早く是正すべきだ。

2013.06.02:

驚くべきというか、注目すべきことが起こった。
何と自民党の元幹部が共産党の機関紙「赤旗」に登場したのである。
自民党の古賀元幹事長が「赤旗日曜版」のインタビューに答え、憲法96条改正反対を述べた。また本当の2大政党は自民党と共産党だとも言っている。
これまで財界の幹部OBも登場したことは」あったが、自民党のそれも幹事長という首相に次ぐポストを勤めた人間が、明らかな政敵の機関紙に顔を出すことは普通では考えられない。ということは安倍内閣の改憲方針というのは、左右陣営双方から危険視されているということだろう。
良識のある人なら、改憲した後の日本がどのような道を進むかが見えているということだ。

2013.06.01:

今日は従軍慰安婦問題で重要な動きがあったので書いておく。
国連の拷問禁止委員会は31日、一連の橋下の発言に名指しはしなかったものの、「日本の政治家や地方の高官が事実を否定し、被害者を傷つけている」として日本政府に反論するよう求めた。
これに対して橋下はどう言ったか。
ツイッターで「河野談話で曖昧にしていることが慰安婦問題が解決されない最大の原因」と政府に責任を転嫁している。しかし政府の見解がどうあれ、はっきりと強制性を否定する発言をしたのは誰なのか。しかも慰安婦の存在は必要だったと言ったのは明らかな橋下の意思である。他人になすり付けるのは絶対に許せない。
付け加えて言うと、河野談話は軍が強制連行した事実を示す「直接の書類はない」としつつも、その他の証拠から強制性を明確に認めている。だから曖昧などという批判は当たらない。
当然国連も元慰安婦の証言などを含めて調査した上での性的奴隷(sexual slavery)の認定を行っているのである。
なお、国連の指摘は橋下ひとりにとどまらない。安部首相が橋下発言を批判していないことも含まれる。だから政府としての反論を求めているのである。