悪餓鬼日記帖:なにぃ、文句あっか!

12.02


2012.02.28:

福島原発事故に対する「民間事故調」の報告書が出た。
マスコミは政府側の混乱ぶりをドラマ仕立てで報道しているが、やはり最大のポイントは政府、東電ともに最悪の事態に対する対応能力が欠落していることを指摘しているところにある。
先日公表されたアメリカ側の資料では、常に最悪のシナリオを想定しながら動いていたことがわかる。
それに比べて政府が右往左往するしかなかったのは、こうした事態に対応するマニュアルも組織もなかったことにあることは明らかだ。安全神話が招いた結果である。
そして今回の報告書で明らかになったのは、東電が事故調の事情聴取を拒否したことである。
会社に不利な証言は絶対にさせないという意思が働いたことは明らかである。だがこれまでの経緯から考えて、電源喪失に至ったこと、海水注水の遅れ、ベントをしなかったことによる水素爆発、等々、第一義的には東電の初動ミスが原因である。
そういったことの責任を曖昧にし、かつ未だに事故再発防止の対策を政府の指示待ちするなど、本気で反省しているのかと思う。
その一方で経営難を理由とした料金値上げだけが早々と出てくるのはどういう神経だろう。
震災から間もなく1年、犠牲者絵の鎮魂とともに、犠牲者を作らないような対策、わけても原発事故を防ぐ最大限の対策が望まれている。
もちろん最大の対策は脱原発。すべての原発を停止させ、そのまま再稼動させないあらゆる行動が望まれている。

2012.02.27:

野田首相が沖縄を訪問して仲井真知事と会談し、辺野古への移設の日米合意に至ったことを謝罪した。しかし続けて辺野古がベストとの話を繰り返した。これでは謝罪になっていない。
そうでなくても日本政府からは辺野古以外を選択するような提案を一度もアメリカ側に行っていないのである。加えて海兵隊のグアム移転の話と不可分だとして普天間を先行して返還する話も「できない」としていた。だがご存知の通りアメリカ側は予算の関係から辺野古とグアムの話を分離すると提案した。
この事実で判るとおり、要するに野田首相を筆頭に日米協議のイニシアチブを取るような行動は一切放棄し、ひたすらアメリカが何かを提案するのを待っているのである。
アメリカ側にすればこれほどイライラする会議はないだろう。一切自分の意見を言わず、相手がしびれを切らして何か言うのを待っているのだから。民間企業だったら交渉団は上司から死ぬほど叱責を受ける。少しでも自分達の利益になるような提案をしないことそのものが利敵行為に値するからである。
自民党政権時代からの方針だが、軍事問題では徹底してアメリカのいいなりになり、アメリカの軍事力を背景に日本の輸出大企業が海外進出を図ることがやられてきた。
日本国民はそのような政策を変えてくれることを「普天間は少なくとも県外移転」の言葉に期待したわけだが、民主党政権はそれを裏切った上に、野田内閣になってこれまで以上にアメリカいいなりの政策をつづけてきた。
それを考えたら野田首相の「謝罪」は欺瞞に過ぎないことを教えてくれる。

2012.02.26:

確定申告の日曜の受付があるので、午後会場まで出かけた。午前中は医療費の計算とネットでの申告書作成に忙しかった。
計算した結果、今年は3万円近くが戻ってくることになった。私の記憶では最高額である。
1年間に支払う医療費に比べて焼け石に水の金額だが、やはり1万円を超えると何となく得をした気がする。これは何も税金をケチる発想からではない。庶民の正当な権利を行使しているに過ぎない。納税の義務というならば、庶民は買物をするたびに否応なしに消費税を払わされるのだから立派に義務を果たしている。隠し金庫や地中に埋める浅ましい脱税の手口と一緒にしてもらっては困る。

2012.02.25:

久々にHP手伝いの話。
編集会議で、リーダー格が全員で討議した原稿が気に食わないとして突如執筆者の個人的見解に変質させようとしたことから紛糾、結局それは撤回させて彼の言い分をもう一度整理した上で再討議することになった。
リーダーだからとして権力をかざすことは民主主義の破壊である。橋下の真似をしてはいけない。また国連安保理のような大国の拒否権を認めることもおかしい。現にシリアに対する非難決議で国連としての明確な意思表示ができないのも、拒否権のせいである。
ましてや一般市民組織にそのような類のものを持ち込むと必ず統一が崩れ、相互不信を招く。
会社組織のような上意下達の場合でも、経営者が労働者を一方的に締め付けると、伸びないと言われる。また労働組合はそのような経営側の無理難題に歯止めをかける役割をもって歴史的に育ってきた。
それを無視してあくまで専制支配を貫こうとしているのが橋下市長。さすがに大阪府労働委員会はアンケートの中止を勧告したが、それが常識というもの。ここしばらくは「ハシズム」と民主主義の戦いが続くだろう。

2012.02.24:

年明けからの受注ラッシュが続いていて、私が担当している数百万円〜数千万円の小口オーダー(あくまで大企業レベルの基準)が連日のように入っていくる。その大半は輸出。
しかも今週に入って、数十億円の仕事が入った。もちろん前金が入ってから正式契約が発効することになるのだが。
もちろん船積はこれら大小併せて今年の夏以降になるが、今から工場の生産計画にこれらの仕事を織り込んで作成してもらう必要がある。そういう意味では、現時点では嵐の前の静けさの状態である。
経営陣は今頃3月末までの今年度の受注ノルマが達成できるのかどうかが気になっているようだが、達成できたとしてもその後に来る洪水のことは甘く考えているようだ。

2012.02.23:

一昨日あたりから急に気温が上がって、先週の積雪は何だったのだかと思えるくらいである。
さて、再び船積の話。
今度は欧州某国に大型機械の部品を(部品とはいっても50トン近くある)送るのだが、先方から「コンテナはいくつ?」とか「積み込みする工場はどこ?」とか聞いてきた。
そもそも50トンもある品物が入るコンテナなどないし、寸法が制限をはみ出すので、コンテナ船では運べない。昔からある普通の貨物船(在来船)を使うしかないのである。
それとウチの工場の場所を聞いているということは、「バンニング」といってコンテナに品物を入れて固縛する作業をウチの会社で行って、それを船会社に引き渡すことを前提にしていると思われる。残念ながらこの作業は専門業者でないとできない。
品物の大きさはパッキングリストで先に連絡してあったのに、こういう愚かな質問が来るのには参った。欧米では時々先入観の塊りみたいな担当者に当たることがある。こういう輩には丁重に一発「お前はアホか」という意味の言葉でお引取り願うしかなかった。
さて、現実問題として在来船の定期運航というのは韓国・中国向けくらしかないから、3月早々に梱包が出来上がってもいつ運べるかわからない。FOBなので船の手配は先方だから他人事でもかまわないのだが、可哀相だからネットで調べてみてもヒットしない。どちらかというと荷物の予約が一定程度集まってから配船することが多いようで、公表はしていないようだ。しかも欧州向けである。
最悪、直行便はなくてどこか、例えばシンガポールで積み替えるとか、チャーター便(目をむくほど運賃を取られる)しかなくなる。しかしジタバタしても仕方がない。明日以降の情報を待つことにしよう。

2012.02.22:

先日から営業とのやりとりで、船積時にインボイス(いわゆる「送り状」であって、品物の名称と代価を記載したもの)に書く金額についてやり取りしていたが、担当者がおかしな計算をしていたので一から基本を教えることになった。
具体的には、発注時に貰っていた頭金を計算に含めていなかったので私が指摘したのである。
例えば輸出代価が1万円で、頭金を10%すなわち千円を貰っていて、船積後に残り9千円を貰うとしよう。その場合、インボイスには「既支払済千円、今回請求額9千円、総額1万円」と書くのが常識である。ところが営業担当者はインボイスに9千円と書いてくれと言ってきたのである。彼の頭には支払のことしかなかったために、こういう勘違いをしたのである。
何故こういうことが重要かというと、税簡に対する輸出申告額は品物の代価である必要があり、支払とは何の関係もないからである。
インボイスというのは納品書、税関への申告、発注者(信用状の場合は銀行が代行)に対する請求書の役割を兼ねる。よってその書き方には工夫が要るのである。それを理解していないと正しい数値を計算できない。
先に私が揚げた例は単純にしてあるが、「浄水場設備1式」などという大型プラントを分割して船積する場合、さらには追加発注で代価が変わる場合などは最終的な代価とインボイス金額の辻褄を合わせるための工夫が要る。その仕組みが理解できるには輸出にまつわるちょっとした勉強が必要。若い営業マンには私のつたない経験を教えることになった。

2012.02.21:

中東某国へ送った貨物が税関でストップを食らい、2週間後の今日、やっとパスして工事現場に着いた。
差し止めになった原因はどうやらインボイスに書いてあった品名のようである。但し詳しくは教えてもらえなかった。少なくとも税関のコンピューターによるチェックシステムで警報が出たとの情報。
ではどうやって税関の審査をパスしたかというと、問題になった品名は政府が輸入を管理している商社を通さないといけないもの(もちろん誤解である)で、そこを通さずに輸入しようとしていることを、その商社から「この品物はウチが取り扱う範疇ではない」という一筆を出してもらうことで決着させたのである。
そして時間がかかった主な原因は、現地受取側が現地工事のためだけに設立した臨時の法人で、そんなややこしい手続が必要になった場合の対処方法をまったく知らなかったためである。よってその国の乙仲の手助けなしには何もできなかった。
そういう私自身もこんな経験は初めて。よって私も日本側の乙仲(相手側の兄弟会社)に連絡を取って解決してもらうしかなかったのである。

2012.02.20:

関西電力の全原発が停止することになった。残るは東京電力柏崎刈羽6号機と、北海道電力泊3号機のみ。
短期的には電力が不足気味となり、また代替の火力発電所のコストが増えるだろう。CO2が増えることもありうる。だが長期的には、廃炉のコストや原発事故によるリスクと後始末にかかる莫大な費用などを考えるとずっと安くつく。そして再生可能エネルギーの開発を促進すれば次第にその差はなくなるだろう。もちろん各種の節電対策も必要だ。
一方の再稼動問題だが、原子力安全委員会は今日、原発のストレステストについて1次評価だけでは不十分との見解を明らかにした。先日の福島事故調査委員会でも当事者から安全指針そのものに問題があったとか、安全保安院、原子力委員会の専門性の低さを自ら認めている。こういう状態で再稼動などもってのほか。
電力会社と政府共に再稼動にしがみついているようだが、お膝元から異論が出ているのだから諦めた方がいい。そもそも福島事故の教訓や具体的安全強化策が出てもいないし、一切の臨時的対策もやられていないのだから、虫が良すぎる話なのである。

2012.02.19:

昨日よりは少しましだが、今日もやや寒い。
でも不思議なことに洗濯物はカラッと乾いた。それだけ乾燥しているということだろう。
確定申告の話で、この時期になると日曜に受付をしてくれるはずなので調べたら、今日がその日だった。慌てて領収書を整理していても間に合わないので諦めたが、来週26日も受け付けるので安心した。今週中に計算してしまおう。

2012.02.18:

朝窓を開けると道路はうっすら雪化粧。その後も冷え込んだままで、最高気温は4度。神戸はこの冬一番の寒さである。2月も半ばを過ぎたからこれ以上の冷え込みはもうないだろう。というかそうあって欲しい。
昼飯に初めて即席でないラーメンを作った。粉末の鶏がらスープをベースにして味付け。麺は市販のものだが、あまりコシがないので、もう少しで茹ですぎになるところだった。
最近は本当に新しいメニューに挑戦することがなくなった。せめて時間的余裕のある休日くらいはとも思うのだが、やる気が出ない。
それでも、市販の料理本をそのまま真似ることだけはやらないことにしている。2人分だけでは材料がうまくそろわないこともある。味付けも自分の好みにしてしまう。
調味料で思い出したが、複合のもの、例えば「アジシオ」とか「塩コショー」とかは絶対に使わない。料理による加減がきかないからである。

2012.02.17:

今日もまた仕事で唖然とする話。
来月早々には船積が待っている機械で、本体の付属品となるある部品が不足することがわかった。
営業担当者が客の発注リストとPACKING LISTを比較して気付いたのだが、原因をたどると設計が必要数を半分に書いていて、それを信じざるを得ない関係者全員が気付かなかったのである。
特急で製作指示を出したが、いくら急いでも納期は約1ヶ月かかる見込み。しかも船積の前には客が来て機械の試運転を見に来るという。もはや絶体絶命。
こういう場合、私の考えだが、変な嘘をつくより実情を話し、船積に間に合えばそれでよし、間に合わなければ運賃は当方持ちで送る、というのが相手を安心させるベストである。
それにしても、最近基本中の基本が抜ける事例が多くなった。以前も書いたが、新旧の図面の比較をせずに間違った図面で物を作らせた例とか、私自身もやはり設計の数量ミスで欠品をやらかして客に怒られた経験がある。
とにかく昔の日本のものづくりの栄光はどこかへ消し飛んだ。会社幹部は対策をもってこいと指示するが、紙の上の対策では何も解決しない。人を減らした上にベテランが定年でいなくなり、地に足をつけないまま経験不足の管理者が増えてきて、現場は混乱している。
いつもの繰り返しになるが、人減らし・賃下げ競争をやめない限り日本の高い技術力は維持できない。

2012.02.16:

橋本大阪市長が、またもや問題行動を起こした。
市職員にネットを使ってのアンケートを行ったのだが、その手法も内容も憲法違反の思想調査になっているのである。
大阪弁護士会はこのアンケートの中止を求める会長声明を出した。
その大意は次の通りである。
1.アンケート調査を業務命令とし、氏名入りで回答することを義務付けて、正確に回答しない場合は処分もありうると、回答を強制している。
2.公務員といえども憲法で保障されている政治活動、組合運動についての本人の思想や行動を問うている。
3.思想信条の自由、政治活動の自由、労働基本権などを侵害する調査項目について職務命令、処分等の威嚇力を利用して職員に回答を強制するもので許されない。
ハシズムも完全に本性を表し、牙をむき出した感じがする。
彼は市の組織すべてを自分の意のままに動くロボットにしたいのである。だから労働組合は要らないし、市長選挙のときに自分以外の候補を応援することなど絶対に許さないのである。
これが独裁でなくてなんであろうか。
彼は北朝鮮を忌み嫌って、朝鮮人学校に補助金を出すことを渋っているが、実は彼自身が市役所に君臨する金王朝の首領たらんとして行動しようとしている。何と言う皮肉だろう。

2012.02.15:

民主党政府が奇怪なことを考え出した。金融機関に10年以上眠っている口座を震災復興財源に充てるという案だ。毎年800億〜1000億円が発生しているという。
恐らく、本人も忘れているとか、本人の死亡後遺族も引き取らなかったものが多いと思われる。いずれにせよ個人所有がほとんどで、法人ではまずあり得ないだろう。口座管理者は時間と共に変わるだろうし、企業ならば会計監査とか税務調査で調べられる。
それにしてもこういうところに目がいくしかないというのは発想の貧困である。
現在大企業の内部留保は300兆円以上、その内のすぐに現金化できる手元資金だけでも50兆円以上。これを活用すれば復興資金には十分だし、消費税を上げなくても済む。そのことを見ずにわずか1000億程度の金に手を出そうとする神経はどこか狂っている。
民主党政権は、野田首相になってから自民党でさえ国民の目を恐れて手出しをしなかった政策を次々と押し出してくるが、休眠口座をターゲットにするなども異常な神経を物語るものである。

2012.02.14:

JX水島の事故原因だが、「シールドマシン」と呼ばれる筒型の胴体の前に硬い歯を付けて掘り進む機械と、トンネルのコンクリート壁との間にできた隙間が崩壊して、海水が流れ込んだ可能性が注目されている。
茶筒のような形をしたマシン自体としては、蓋にあたる先端の歯が付いた部分だけ回転して地盤を掘り、出てきた土はコンベヤで後に運ぶ仕組みになっている。そして前進はトンネルの壁とマシンの間にある油圧ジャッキを伸ばして進む。
一定程度進むと油圧ジャッキを引っ込めて壁とマシンの間にできた隙間に扇形をしたコンクリートパネル(「セグメント」と呼ばれる)を敷き詰めてボルトでつなぎ、リング状の新しい壁を作る。そして新しい壁とマシンの間に油圧ジャッキを伸ばして更に前に進むのである。
今回のJX水島では、このセグメントの幅は約1.4メートル。ただ、セグメントを張る前は土がむき出しになっているから、軟弱な地盤ではセグメントを張る前にコンクリートミルクなどを土に注入して土が崩れないように補強する。
だがシールドマシンには悪い癖があって、自重のために前のめりになって(これを「ノーズダウン」という)、壁との隙間の上部が少し開き気味になり、崩れやすくなるのである。JX水島ではこの隙間の位置で海底の陥没が生じていることから、専門家はこの現象が原因ではないかと推察している。
子供が砂場でトンネルを手で掘っていて、突然崩れたら「あ、崩れちゃった!」でおしまいという光景は珍しくない。しかし実際のトンネル工事では人命がかかるし、けが人が出なくても工事が長期に中断することもある。それを防ぐ手立ては多くの技術陣によって考えられてきたが、それでも人身事故を防ぐことができなかった。そのことを肝に銘じて再発防止に取り組んでもらいたいものである。

2012.02.13:

昨日の温度計の話、故障説が有力らしい。よってもう少し様子見である。
さて、仕事の方だが、日本からの輸出ではなくてA国から物を買ってB国へ直接売る、いわゆる「第三国貿易」とか「仲介貿易」と呼ばれる取引の仕事が時としてある。
こういう取引はある程度の実務経験と、英語力、そして貿易に関する専門知識がなくてはやれない。両方とも日本語と日本の常識が通じる世界ではないからだ。
実は今、ウチが出資している中国の合弁会社がアジア某国の仕事を受注してそのための資材を日本とドイツから送ることになったのだが、輸出の担当者は新入社員(途中入社)。
英語力は高いが、あとの2つは超初心者。よって一人立ちさせるために日本からの駐在員と私が結託して教育することとなった。但し事細かに手伝うと仕事を覚えないので、駐在員は必要な書類を渡して「自分で考えてとにかくやってみろ」と突き放す方針。その話を受けて、私は担当者からの要求・書類に対して極めて実務的に「イエス・ノー」を答えることになった。
まず手始めは「原産地証明」。
中国の担当者は客先の某国の担当者に原産地証明の書き方を訊いていた。しかし原産地証明は輸出国が出すものだから輸入国に訊くことそのものが間違っている。しかも中国の担当者が見つけた客先某国税関の書式はその国からの「輸出用」のもの。当然日本の商議所はそんな書式は絶対に使わないし、間違いなくサインを拒否する。
私も指導員も中国担当者のメールのコピーを静観することにしていて、もし私にお門違いの原産地証明を要求してきたら、その時点で私が「お前はアホか!」というニュアンスをもってやんわりたしなめる手筈になっている。
忙しい中ではあるが、国際貿易の先進的経験を積んできた日本がその手本を示すことは悪くない。

2012.02.12:

福島第一の原子炉で温度上昇が見られるという。100度を超えているわけではないが、原因は不明である。
温度計の故障ということも考えられなくはないが、冷却水配管系統の詰まりもありうる。いずれにせよ、現在は原子炉内部の状態は崩れ落ちた内部が見えないのでは想像でしかない。
これから廃炉に向けて作業をするわけだが、手が付けられるのは核廃棄物から出ている放射線量が少なくなってから。早くても30年くらいはかかるだろう。しかも炉内の状態如何では溶けた燃料棒を回収するのみならず、炉を支えているコンクリートの基礎が汚染されていて、それが含有する放射能が落ち着くまで待たないといけないかもしれない。こうなると50年以上はかかるだろう。
事故を起こしていない普通の原子炉でも、炉を完全に撤去して更地に戻すには30〜50年かかると言われている。撤去せずにコンクリート詰めにする案もあるようだが、これだとチェルノブイリと同じでコンクリートの風化による割れに対してさらに対策を施さねばならない。
廃炉コストはどちらでも莫大な費用がかかる。しかし電力会社はこのコストを無視して「原子力は安い」というキャンペーンを張ってきた。本当はこれに核廃棄物の処理費用も加わって、コストはもっとかかる。
しかし電力会社は相変わらず「原発が止まってはコストがかさむので料金値上げは避けられない」と叫ぶだけで嘘の計算をやって原発を推進してきたきた反省はない。
再稼動ができない現状では、4月には国内のすべての原発が停止する。国と電力会社が「ストレステスト」をもって巻き返しをしようとしているが、今のところ立地自治体で再稼動を許しているところはない。福島事故以降、何の対策もしないのは虫が良すぎるということを国民は見抜いているのである。

2012.02.11:

今日も寒かったが、平凡な一日。
しかし水島のJXで起こった海底トンネル崩壊の事故で、不明者の捜索に当たっている人達は大変だろうと思う。
私も少しだけトンネルを掘削する機械の話を聞いたことがあるが、今回のように海底で事故が起こり、海水が一気に流れ込むというのは聞いたことがなかった。
トンネルを掘っていると、時として掘削面の土が一部崩れるとか湧水とかは珍しくない。しかし崩れ方が大きいと機械の上で大規模な崩壊が起こり、機械がへしゃげたり地表も陥没することがある。これを専門家たちは「山を落とす」と呼んでいる。工事屋としてはどちらかというと不名誉な扱いを受ける。
この現象は昔、東京秋葉原の地下鉄工事で道路陥没として現れた。ただ、地上だったら陥没だけで終わるが、海底だと海水が一気に流れ、今回のように逃げ遅れた人間が水死する可能性が高くなる。
それだけに水の下を掘るときは地質調査などの事前の検討と共に、緊急のときの避難方法の綿密な検討が要る。今回はどうだったのかまだ明らかではないが、「想定外」というような言葉は聞きたくないと思っている。
ちなみに、大阪では現在、大和川の下をくぐる高速道路のトンネル掘りが行われている。場合によっては厚生労働省の安全査察が入るかもしれない。

2012.02.10:

普天間基地の移設問題で、日米政府が海兵隊のグアム移転と辺野古移転を分離することで合意した。米政府の対中戦略の変更、米政府予算の縮小、そして沖縄県民の固い意志が絡み合った結果である。
ここに日本政府の意思は入っていない。いないどころかいつまでも辺野古に固執している。ここらあたりはアメリカ側が冷静に事実を見ていて、ダメなものはさっさと諦めるという姿勢が見える。
ただ今回の合意は下手をすると普天間の固定化につながる可能性、すなわち辺野古の問題が解決するまで返還は先送りになることも考えられ、沖縄県知事などからも懸念が示されている。
今回のことで見えるのは、先にも書いたとおり日本政府の自主性のなさである。沖縄県民の声を受けての提案を一切せず、アメリカ側から言われてやっと応じるという態度である。過去の安保改定の経緯といい、ここまで卑屈なのは一体どこの国の政府なのかと言いたくなる。しかもこういう態度は自民党政権から変わらない。
そういう「里帰り」の傾向は内政・外交併せて野田内閣になってから顕著になった。

2012.02.09:

飛行機が飛んだら次は船である。
この週末から来週にかけて、続けさまに4隻の船がうちの会社の荷物を積んで港を出る。内2隻は神戸からで残りは外国。
荷物や書類などはすでに乙仲に渡してあるから、後は船が出るだけ。よって今はドタバタはない。それが終わったらしばらくは国内も含めて出荷はまばらになる。
さて、今朝は再び寒さが戻ってきて出勤時は顔が痛かった。

2012.02.08:

そろそろ確定申告の時期になった。私は毎年医療費控除の還付申告をするので、昨年の領収書を整理せねばならないのだが、休みの日もバタバタしていてまだ手付かずである。
しかし、もし消費税が上がったら1万円近い還付額はすっ飛ぶ。もちろん還付のできない人は私以上に負担を強いられる。
決して余裕のある生活をしているわけではないのに、こうして庶民の懐に手を突っ込むやりかたには本当に腹が立つ。税収が足らないなら、うなるほどの内部留保がある大企業とか、大金持ちから取ればいい。聞くところによると、大手企業で固定資産などになっていない手持ち資金は100兆円以上あるという。
そもそも内部留保のほとんどは設備投資などの使い道が決まっていない、いわゆる「死に金」である。「貯金」と呼ぶ輩もいるようだが、貸倒引当金などは別途確保されているのだから、緊急事態に備える金などでは決してない。
ところで私もいよいよ年金がもらえるようになる。しかし一方で賃金は大幅に下がり、その分を年金で補填せよと言われても目減り分を100%補填する額には足らない。よって年収は目だって減るのである。
こんな生活で消費税を上げられたら・・・ぞっとするし、怒りがこみ上げてくるのである。

2012.02.06:

船による輸送に間に合わなくて、しかも今から船で送っていては現地での据付に間に合わないことから、急遽1トンを越える航空便を飛ばすことになった。
先週からずっとその話で振り回されている。そしてやっと飛行機が飛ぶのだが、現地国の税関に提出する原産地証明を巡って発行元の商工会議所との関係がぎくしゃくしている。
もめる原因は色々あるが、最近目立つのが某大都市の商議所の発行担当者で、無理難題を吹っかけることで関係者の間でもちきりになっている。あまり詳しい話はできないが、メーカーの住所について郵便番号を昔の5桁から7桁に「正しく」書き直せというのがひとつの典型である。
信用状にからむ話でない限り、その程度のことで日本製であることに傷つくわけでもないのだが、とにかく相手を困らせることに生きがいを感じている人物らしい。
輸出の仕事をやっていると時としてトラブルに巻き込まれることがあるが、多くの場合は原産地証明を含む書類の話であることが多い。品物の送り間違い、破損、輸送中の事故などは極めて少ない。

2012.02.05:

沖縄問題でまた防衛省が批判のネタを作った。ご存知のように防衛局長が普天間基地のある宜野湾市長選について「講話」をしたこと。
口を濁しているが、基地賛成の候補に投票するよう言ったことは99%間違いないだろう。そうでなければ家族や親戚の名簿を提出させる必要などないはずだ。
それにしてもあからさまな選挙違反であれば、これは公職選挙法と、政治活動を禁じている国家公務員法の両方に違反する。
公務員としての地位を利用した投票依頼だから、買収よりも悪質ともいえる。
しかもこういう「講話」は5年前からやっていたというから、これまでの選挙結果は民意を公正に反映したものかどうかが疑われる。つまり基地反対の声はかき消されたのである。
今回の事態は宜野湾市民のみならず、沖縄県民、ひいては国民全体の怒りを呼ぶものである。アメリカでも辺野古移転は非現実的と見ている人が出てきている。もはや政府に逃げ道はない。すみやかに普天間の県外移転をアメリカに提案すべきだ。

2012.02.04:

最近になって、家の前の道路の拡幅工事が進んでいる。よく考えたら道路計画は震災直後にスタートしたもの。
当初、市は避難路の確保と延焼を防ぐという名目で、それまで決めかねていた道路整備計画を次々と決めた。いわばドサクサ紛れである。
しかし道路を広げることで土地を失う所有者との交渉は難航し、立ち退き、狭くなった土地での家の建替えなどに結局17年かかったのである。
うちのマンションは幸か不幸か30年くらい前に道路を広げた後で立てられたもので、今回の工事の影響はない。しかし側道の向こう側は一戸建てのため建て替えを余儀なくされたのである。
都市計画の実行には時間がかかる。自治体と土地の所有者との交渉に難航したのだろう。土地に関する利害が絡むし、所有者不明の場合は裁判所に持ち込まないと解決しないこともある。
ともあれ納得と合意が必要な問題であることは間違いない。

2012.02.03:

今朝はものすごい冷え込み。夜中に降ったちょっとした雪が溶けずに残っていて、出勤の時も耳が痛いくらい冷え込んでいた。
さて、会社で聞いた何とも言い難い話。
某国に出向した社員、元々独身で荷物は少なく、赴任の時は簡単な手荷物だけだったのだが飛行機に乗る時の手荷物には何と個人持ちのデスクトップPCがあった。
ノートPCだったら別に問題はなかったのだが、デスクトップでしかも別置きディスプレイ付き。日本を出るときは輸出だからまずとがめられることはない。しかし相手国に着いたら話は別である。
紐で縛っただけのPC本体とディスプレイを運んでいる姿を見て税関が黙っているわけがない。すぐさま呼び止められ、輸入関税をしっかり取られるハメとなった。国と場合によっては没収である。
無神経もここまで来ると見事、と笑っているだけでは済まされない。輸入に関してはどの国でも自国の経済を守るためには神経質になる。
相手の立場に立って物を考えるとういうことがどれだけ大切か、このことを教えてくれる話である。

2012.02.02:

昨夜は親友と愚痴のこぼし合い。仕事のことなど色々話していた。
それでも2時間程度で切り上げ。あまり飲み食いはしなかった。平日であることから無意識に抑制がかかったのかも知れぬと、互いに納得した。
帰り道、どうやら腹が満足してない感じだったので、ディスカウントショップでアイスクリームを買って帰って食べた。
我ながらこの寒いのに何をすることやら(笑)