悪餓鬼日記帖:なにぃ、文句あっか!

12.06


2012.06.30:

今日の話題は首相官邸前の「集会」。それまでもやっていたようだが、首相が原発再稼動を宣言した前日から急に増え始め、それがツイッターなどで評判が広がって、昨夜はついに主催者発表で20万人に達したという。
これまでマスコミは無視していたものだが、今朝の新聞でやっと取り上げられるようになった。
今回のような行動は日本ではあまり見られなかったが、こと原発の問題になると、普段着の市民なども加わって大規模化するようだ。しかも主催者が解散を呼びかけると整然と散っていくというのは、これまた震災で見られたような日本人独特の品のよさが発揮されている。
どうやら日本にも「アラブの春」に見られるような市民の静かな反抗が始まった感じがする。しかもあれだけマスコミが市民の本音を隠すのにやっきになっているにも関わらず、ネットを通じた口コミが大きく寄与しているのも時代の流れを表している。
消費税、原発、米軍基地、TPPなど、政府とマスコミがこぞって国民を攻撃する中、国民はもはや唯々諾々と従うことに公然と「ノー」を突きつけつつある。

2012.06.29:

今日で4半期決算は締切。私としては全部終わって左団扇のつもりだったが、6月になって緊急の機械点検SV派遣が3つあったのを思い出した。
決算対象の証拠として客先から作業完了の証明印がいるのだが、いずれも終わったのは今週に入ってからで、SVが帰社して報告書の整理が終わってから出してくるのでどうしても遅れる。しかも遅刻の常習犯は社内のある事業部。
まあそれでも私の部署から出すべき書類は割合と早い方で、いつも槍玉に上がるのは営業。
何故かというと、客先の正式注文書の発行が大量に放置されていて、今日あたりに洪水のように出てくるからである。ひどいのは注文の内示を受け、かつ納期も過ぎてから半年くらい出てこないこともある。
もし下請企業なら違法行為になるのだが、ウチのような大企業は対象外だからいい加減になっている。そして経理から「注文者がない!」と怒られてから重い腰を上げるのである。
もう救いようがない・・・

2012.06.28:

エレベーターの話2つ。
ずっと以前にも書いたが、エレベーターの中で「圏外」になるにも関わらずケータイを操作している人が多い。
金属製のケージの中は電波が遮断される。これは電気物理の基本的な原理であり、これを変える方法はない。しかしそのことを知らない人が多いのも事実。しかし所詮は無駄なあがきである。
次に、フロアに着いて扉が開いた後、他人が出るまで「開」ボタンを押し続ける人がいる。圧倒的に女性が多い。親切心のつもりなのだろう。
だがこれは無駄である。却って入口に立たれるのは人の流れを妨げて邪魔である。
最近のエレベーターには扉に光センサーが仕込んであって、人の姿を検知しなくなってから自動的に扉が閉まる仕組みになっているので、「開」ボタンは押さなくても強制的に閉まることはない。
また古いエレベーターであっても、扉が人に触れると必ずと開くというフェールセーフになっている。
一般的に言って、機械というものは条件に応じてある決まった動作をするように自動制御されている。また、機械工学、電気工学の法則に従った動きを利用した知識の集大成でもある。
それらのことを知るのに難しい理論を勉強する必要はない。機械の動きを冷静に観察していれば一定の動きのパターンが見えてくる。だからそれを素直に「そういうものだ」と受け入れればいいのである。
幸いにして私は学生時代からずっと技術畑を歩いてきたから、一般の人達よりも動作のパターンを早く見抜くことができる。ただそれだけである。
同時に「物事を冷静に観察する」ことと「物事をまずは解釈なしに受け入れる」ということは他の分野でも役に立つ。
今私が貿易実務のことで仕事がこなせるようになったのは、まさにそのスタンスを実践することができたからである。

2012.06.27:

22日に書いた船積書類の話、結局25日には完成しなかった。理由は相手先に送る予定の品物のリストとパッキングリストがあちこちで矛盾していたためである。出張中のKにも電話したが彼自身でも解決できず、船積はほぼ不可能になった。
そこでKに再び電話して善後策を求めた結果、彼が関係者に詫びのメールを入れ、在来船でしか運べない巨大貨物だけを送って、残りは7月中旬にコンテナ船で送ることにした。もちろん彼は帰国後に袋叩きに会うだろう。残念だが私も弁護はできない。そもそも照合ができなかった原因は彼が用意したデータが中途半端で、間違いだらけだったからである。
さて、私の方では13日に書いたヨーロッパ行きの貨物の船の予約がようやく取れ、来月下旬に出て行くことになった。1ヶ月も先の話になったのは、神戸港発ヨーロッパ行きで大型貨物を運べる船が極端に少ないためである。
ところで船が決まったとの連絡が、向こうの乙仲からメールで入ったのだが、同時に「工場から神戸港までの艀のスケジュールを知らせよ」との要求があった。
冗談ではない、普通の船だったら艀を本船に横付けしてクレーンで吊り上げることができるが、フェリーのように貨物を積んだトレーラーをランプから進入させる方式では、一旦艀から岸壁のトレーラーに積み替えする必要があり、それには別途レッカー車をチャーターせねばならないのである。そのために船会社と打ち合わせをせねばならない。
しかも船が来るのは1ヶ月先、途中で悪天候などで遅れることはしょっちゅうある。
ということで以上の事情を説明した上で、「艀のスケジュールなどまだわかるわけがない」と返信した。
素人じゃあるまいし、何をせっかちなことをぬかすかと思った次第である。

2012.06.26:

消費税増税法案は、民主党から57人の造反者が出たが衆議院を通過した。このことは、増税に関しては「ねじれ国会」など存在せず、多数与党によって成立するということを意味する。参議院でも民自公が賛成すればそうなる。
これはもう民意などおかまいなしで、オール与党のやりたい放題になるという、民主主義のルール破壊である。しかも3党合意は国会審議抜きの談合であるからなおさら。
ここまで3党が増税に固執する理由は何か。やはり財界大企業に徹底して奉仕するということしか考えられない。政治資金がもらえる他に種々の利権があるのだろう。衆院通過を受けて経団連の会長は手放しで喜んでいる。
財界大企業側にとっては国民の負担が増えることで、余った金が減税や大型公共事業に回ることを期待しているのである。
そこには震災で苦しんでいる人をはじめ、右肩下がりを続けている給与所得に苦しむ庶民を思いやる発想はまったくない。

2012.06.25:

野田首相は自公を道連れにして地獄へ落ちたいようだ。ろくに審議していない3党合意による増税関連法案を意地でも明日衆院で採決したいという。
世論調査では増税反対が過半数を超えているし、今国会の成立には慎重であるべきという意見はさらに多い。加えて身内からの造反も避けられない情勢だから、彼に勝ち目はない。だがそれでも無理をするのであれば、引導を渡すしかない。同時に彼の政治生命は終わる。党の分裂を招いた人間に「顧問」などの称号が与えられるはずもなく、選挙区でも「地元の恥」扱いされるだろう。
自公もこれまた同じで、既に支持者から不満の声が続出し、政権復帰は遠くなった。民主党政権が生まれた原因となった路線に再び戻るのでは支持者が納得しない。民主党を越える新しい政策を期待していた人達に対する裏切りが受け入れられるはずもないのだから、野田首相との道連れは避けられない。
国民の立場からすれば今回の増税法案は白紙撤回し、法案のやり直しが望ましい。そのためにも各党が政策を出して選挙を行い、競い合うのが最善である。

2012.06.24:

最近こむら返りが朝方に頻発する。いつも眠る前に芍薬甘草湯を服用するが、それでも止まらない。但し夜中に目が覚めた瞬間だけで、立ち上がって足を伸ばすと収まる。
しかしこの現象は今までなかったことで、原因がどこにあるのかもうひとつはっきりしない。思い当たるところでは、血圧降下剤を増やしたあたりからにも思えるが、明確ではない。
血圧降下剤を増やしてからは確かに血圧が下がって、ほぼ正常な値を示すようになった。
これがこむら返りとどういう相関関係になるのか、プロセスは素人には不明。血圧が低い分だけ毛細血管に押し出される血液の流れが悪くなることも考えられるが、そのような説明をネットで捜しても不明だった。
このまま様子を見るが、一向に改善されなければ主治医に相談することになる。

2012.06.23:

今日はいつものように親友Oとの飲み会。
話題になったのは輸出の仕事。というか私が独演会をすることになったのだが、きっかけは彼が設計ということもあって輸出の仕組みを全く知らなかったこと。
それで信用状の解説をすることになったのだが、同時に「プロジェクトマネジメント」の考え方も説明することになった。というのも彼はいわゆる「専門バカ」に育てられていて、他人が何をやっているかを知る機会がなかったためである。
幸いにして彼は人の話を真面目に聞くスタンスがあるから、私の話を真剣に聞いてくれた。特に信用状による貿易が大航海時代や産業革命を経て定着してきたこと、悪天候などで船がいつ仕向港に到着するかの保証は誰にもできないことを、一発で納得した。そいう意味で彼は切れ者。WやKとは全く違う。
私自身としてはOのような同年代だけでなく、こういう話を後進に伝えなければならないのだが、どうやって実現していくのか、改めて悩ましい課題であることを考えさせられた。

2012.06.22:

実は野暮用で昨日は会社を休んでいたのだが、今日出勤したら書類やメールがてんこ盛り。こんなことは初めてである。
とにかくシャカリキで片付けたが、丸一日かかってやっと95%解決。
残りの5%は何かというと、先日書いたことのあるWとその同僚Kが中途半端で放り出した船積書類の完成。しかもこの仕事は本来Kがやるべきなのだが、彼は海外出張で月末まで不在。何とか国際電話とメールで連絡は取れたが、書類の元になるデータは私が知らないサーバーに入っていて、そのファイルを見つけるのに汗だくになった。
今日中に船積書類は完成しなかったが、27日には輸出通関を行う予定だから、逆算して26日に通関士に渡して事前の検討をやってもらうことになる。よって25日には絶対に書類を渡す必要がある。休日出勤は絶対にしない私のコンセプトによれば、25日は完成するまで時間無制限の「デスマッチ」。もっとも勝算がまったくなしでスケジュールを頭に描いているわけではないから、長時間残業あるいは鉄やなどということはまずあり得ない。
それにしてもやむを得ない事情で海外出張になったとはいえ、船積書類を中途半端なまま放置していたKには腹が立つ。またそれをリカバーできないWもこれまた問題。帰国したら2人に死ぬほど説教することになるだろう。

2012.06.21:

友人HPサーバーの故障はまだ続いている。一方ジオのサーバーもメンテで丸1日以上更新ができなかった。
神戸は朝からずっと雨。台風5号崩れの低気圧と梅雨前線の影響である。この雨は明日も続く見込み。やはり梅雨である。ただ気温はそれほど上昇せず、ムッとした感じはない。
さて、国会は結局21日の増税法案は採決できず、今度は会期延長という手法で強引に通そうという政府民主党執行部の目論見である。こうなると小沢グループとの抜き差しならぬ関係に陥ることは避けられなくなりそうな雲行きである。もちろん民主党分裂となったらそれは執行部の責任である。自公も同罪。一方、国民の側から見れば衆議院で否決、廃案が望ましい。
私個人の意見では、その解散総選挙が望ましい。自公との裏取引によって国民との公約を破ったことが原因なのだから。

2012.06.20:

神戸港では、昨日に沖へ避難させられていた船が次々と岸壁に戻っていた。
私が扱っていた貨物を運んでいた船も無事東シナ海を抜けた。
さて、友人HPのサーバーでトラブルが発生したまま未だ解決していない。アクセスログが入っているディレクトリに入れないままになっているのである。場合によってはロールバックしても回復されないのかもしれない。それにしても数日に渡って解決しないとは珍しいこと。サーバーの管理会社からは故障情報が出ているが、いつ回復するは不明である。
言っておくが、ウェブ用ディレクトリは健全なままである。

2012.06.19:

台風は紀伊半島南部を横切って愛知県に向かっている。
神戸では夕方から強風が吹いている。会社の方は交通機関が止まる可能性を考えて午後に帰宅命令が出た。
今のところ人的被害はわずかで済んでいるようだ。昨年の台風で大きな被害を出した奈良県、和歌山県では早めの非難勧告、避難指示が出ていた。それも仕方あるまい。
さて、国会の方は本格的な嵐の前の静けさか。特に民主党は執行部が公約を何もかも破って自公と談合したことに、小沢グループを中心に反発が強い。先に行われた消費税増税反対の超党派の集会に民主党の議員も多数参加くらいだ。何らかの脅しとか鼻薬で腰砕けになることも考えられるが、今はそんな想像をしても意味はない。むしろ多数の国民の声で彼等の背中を押してやる方がいいだろう。
それにしても会期末まで残り2日で衆議院の採決に持ち込んで、その後会期延長という目論見があるようだが、これはもう道理も何もない暴挙で、民自公で強行するならば、日本の民主主義は死ぬ。

2012.06.18:

台風が接近している。しかも近畿直撃コース。
何年か前にも6月末に直撃があったが、今回は夏至の前とさらに早い。かつ強くて早台風とあれば、これはやはり温暖化のせいと考えられずにはいられない。
この休日から今日にかけて3隻の船積だったが、いずれも台風を避けるために、紀伊水道から太平洋に出るコースを避けて瀬戸内海を西へ抜け、東シナ海を走るコースを取っている。
今夜の国内フェリーはほとんど欠航で、明日は神戸港も静かになるだろう。場合によっては会社も昼間で出帰宅命令が出るかもしれない。
いやはや、6月に台風の心配をすることになるとは・・・

2012.06.17:

オウムの主要メンバーが全員逮捕され、一連の事件の当事者は裁かれることになった。
しかしオウムを生み出したもの、すなわち無差別殺人に至ったプロセスは明らかになっていない。頂点に立っていた麻原彰晃は一切語らないためになおさらである。
だからと言って取り巻き連中の責任がなくなるわけではないが。
それと同時に気になるのは単独犯行による無差別殺人が目立ってきたことである。それは秋葉原の事件以降顕著になった。もっとも大阪道頓堀の事件で犯人が「死刑になりたかった」ということについてはマスコミが騒ぎすぎる。犯人が自己の行為を正当化するための言い訳の臭いが強い。
もちろん私は何らかの原因を掴んでいるわけでもないし、もちろん心理学の専門家でもない。ただ、ひとつだけ言えることは個人に背負わされた閉塞状況を打開するためのヒントを周囲の誰も与えられず、また本人も他人に相談したりする訓練をまったくやっていないことが考えられるだろう。

2012.06.16:

野田暴走内閣は遂に越えてはならない一線を踏み出した。原発再稼動と消費税増税・福祉切捨て路線の推進である。いずれも国民の願いを踏みにじり、痛めつけるものである。
彼の発想の特徴は、小泉元首相以上に論拠のない、無意味な言葉を壊れたレコードのように繰り返すだけで、強行突破を図ること。それを止められない民主党執行部も同罪だが。
例えば原発再稼動は「国民生活を守るため」というが、その論拠は石油の輸入で電気料金が上がって家計に響くという他愛のないもの。ご存知のように東電が料金値上げの意向を表明したら、途端に国民から非難の嵐が渦巻いた。要するに石油の輸入が増えることと料金に転嫁できるかどうかは全く別の話なのである。
また、彼は消費税増税について「どの内閣でも避けて通れない」と繰り返すが、根拠はまったく不明。しかも3党合意では民主党が示した福祉のレベルを下げることにしたから、増税で福祉の充実はかるというのはうそになる。増税と福祉切り下げは同時進行になるのだから。
とにかくここまでひどいことになってしまっても、「申し訳ないが・・・」という発想がないのが野田首相の特徴である。これで彼を信頼せよというのは無理な話で、支持率の下げが止まらないのは当然のことである。

2012.06.15:

昨日の話の拡張。
「プロジェクトマネジメント」(Project Management)という言葉をご存知だろうか。「プロジェクトを成功裏に完了させることを目指して行われる活動のことである」(Wikipedia)。
「プロジェクト」にはものづくりのほか、新しい電算システムの構築でもいいし、マンションの建て替え計画、家の中の模様替えでも構わない。要するに始まりと終りがあり、そのためにスケジュールを作って必要なモノ、人、金を管理する手法である。
何故こんな話をするかというと、昨日の話で私がトラブルが起こった場合に「引渡しまでの工程のどこでどれだけ短縮したらいいかを頭の中に描かねばならない」と書いたことを説明するためである。
早い話が機械の完成までの工程を描いて(仰々しい工程表は不要)、トラブルによる遅れをどこで挽回するかを見極めるのである。
例えば機械を作るには多くの場合、設計→部品製作(自社工場または下請)→組立→試験→納品(船積)のような工程を経る。
もしここである部品を作り損ねて再製作が必要になったとしよう。何の対策も取らなければ再製作の期間だけ納品が遅れて客に迷惑がかかる。客が許してくれればそれでもいいが、大抵の客は許さない。最悪は発注禁止である。
さて、最終的に納期を守るためにはどこかの工程で期間を短縮せねばならない。それが再製作する部品なのか、組立なのか、または納品準備(梱包)なのか、早く決断を下さねばならないのである。そのためには各工程の再検討を関係者と協力して行わねばならない。
私はプロジェクト全体を指揮するプロジェクトマネージャーではない。しかし自分が今、プロジェクトの中のどの位置にいるかを見極め、何をせねばならないかを理解することは非常に重要である。それが認識できなければウチの職場のWのように目先のことに目を奪われて右往左往するしかなくなる。
幸いにして私はこれまでの経験から対処の方法、すなわちプロジェクト全体の流れ、事実を把握する方法を身につけることができた。

2012.06.14:

ウチの職場のW、仕事で色々問題が起こってもうまくこなせない。今日も上司からきつ〜い言葉が飛んでいた。
彼は普段から思い込み、先入観が強くて的確な判断と行動が困難なようである。周囲からも良く見られていない。
例えば機械の中のある部品を作り損なったしよう。
当然のことながら機械の完成が遅れるとか、それが原因で納期に間に合わないということも起こりうる。となれば先手を打って関係者に協力を仰がねばならない。同時に上司にも報告して、善後策を理解してもらう必要もある。そうした場合、人は何を考えるか?
まずは事実の把握である。そして作り直しか部分的手直しか、引渡しまでの工程のどこでどれだけ短縮したらいいかを頭の中に描かねばならない。誰がどんな作業をやっているのか理解すること、これも事実の把握の一部である。
しかし彼はまずここでつまづく。上司から「何が起こったのだ、どうするのか」と聞かれても「さあ・・・」としか答えられない。これでは上司は怒ってしまう。事実の把握も解決のアイデアもないとなれば「何やってんだ、このばか者!」となってしまう。
私なら自分でわかった範囲のことだけ答えて、詳しく知らないことは「調べます」とか「責任者の誰々はこう言ってます」と言うだろう。無理に知ったかぶりをする必要はない。
ところが新入社員でもない、入社10年以上のWは上司に強く指摘された部分だけに目を奪われ、パニックになって関係先に電話をするとか意味もなく廊下を走るとかの、落ち着きのない行動に出る。そして次に上司から「ではこの先どうするのだ」と聞かれてもまた答えに窮する。早い話が目先のことだけに頭が一杯なので先を見ていない、見えていないのである。
彼が担当する製品グループの同僚は私に、「どうしたら彼の行動を直せるのか」と聞いてきたが、私にもいいアイデアはない。

2012.06.13:

5日に書いた中国行きの貨物がやっと工場を出て行った。関係者はホッとしている。
しかしヨーロッパ行きはまだ具体的動きがない。もうこれで3ヶ月である。しかも耳にしたところでは、客がまだ安く運んでくれそうな船会社を物色している動きをしているとか。
そんなことはもういい!さっさと持って行かんかい!!(怒)

2012.06.12:

梅雨入りしたせいか、船のスケジュールの遅れが目立つ。私の担当でも中旬までに3件の輸出船積があるのだが、軒並み1〜2日の遅れである。やはり霧などの天候不良が影響している。
他の担当者でも遅れが発生していてちょっとした騒ぎになっている。中国で作らせた機械を東南アジアに運ぶのだが、据付は日本のゼネコンで、予定通りに船が着かないと聞いてわめいているとの話。
以前も書いたことがあったが、船のスケジュールが狂うことは国際的常識。だから船積は一定程度余裕を見るし、国際契約の常識でも船積の期限に対する「しばり」はあっても、いつ到着するかの取り決めはしない。確約できないことを約束する馬鹿はいない。
しかし日本人、特に大手ゼネコンのような世界の常識に疎い連中は「船の到着が遅いのはなぜだ!何とかしろ!」とわめくのである。
もちろん船会社は基本的に無視する。協力するとしても1日程度早く着く船に載せ替える程度。背中では「馬鹿な客だ」哂っているのである。

2012.06.11:

最近スーパーなどで買物をしていて気付いたこと。
商品の品揃えが少しづつ減っている気がする。同時に連日安売りをしていた商品が値下げをやめたというケースもある。
給与所得が毎年下がり続ける中、デフレで売上も利益も減り続けては、メーカー自身が商品の絞込みを行わざるを得ない状況に陥ってるのではないか。儲からない商品をいつまでも作り続けるような経営者は普通考えられない。
こういう環境で消費税を上げたらどうなるか。結果は火を見るよりも明らかである。
もし収入が変わらないとしても、税金で持っていかれる分が増えるのだから買える商品の額は減る。するとそれだけ小売・メーカーの売上も減る。そうなるとデフレはさらに加速する。
ただ、ここで留意する必要があるのは増税による小売価格の上昇に対して、大企業と中小企業では対応する規模も速度も違うということである。
大企業ではダンピングによる値下げ、設備合理化や輸入原材料の採用によるコストダウンなどで対応が早いが、中小企業では資金力や人材の規模が小さいために大企業よりも遅れる。そうなると大企業に比べて増税分の価格転嫁は困難になり、経営は苦しくなるのである。この現象は消費税が3%から5%に引き上げられた時に見られた。今回は5%から10%の上昇であるから、価格競争に負ける中小企業は以前にもまして増えるだろう。こうなるとデフレはさらに加速する。こうなると日本経済の落ち込みはもはや回復ができないほどになるだろう。
これでは一部の輸出大企業を除いて国内経済は悲惨なものになる。これだけは避けなければならない。

2012.06.10:

今日は休日だが、親友Oと夕方から飲み会。
あれやこれや話をする中で、私からは仕事のみならず他の事でも「プロジェクトマネジメント」という考え方が重要であることを強調することになった。
例えば会社での場合、受注から引渡しまで関係するすべてのメンバーが自分のやるべきことを認識し、問題が起こってもプロジェクトマネージャー(プロマネ)が指揮して、それに基づいてメンバーがリカバーに動くというものである。その場合、一番重要なのはプロマネが予算・人事も含めて権限を与えられていなければならない。いわばプロマネは中小企業の社長である。
細かいことはいずれ説明することになると思うが、ウチの会社の場合、肝心の予算・人事を抜きにしたプロマネが任命されてしまう。そして失敗の責任はすべてプロマネに押し付けられる。これでは誰もプロマネになりたがらない。
一部の特殊な専門的技術を必要とする職人を除いて、すべての事は複数の人達が協力して遂行する。メンバーの一人でもそっぽを向けばうまくいかない。プロジェクトマネジメントはその延長の概念である。だからどうやって協力関係を築くかが重要な要素になる。そしてそこには各人の意見を反映する民主主義がなくてはならないのである。
ここから先は明日以降にする。

2012.06.09:

昨夜は新入社員の歓迎会。4月ではなく今になったのは、実際の配属先は本社教育が終わってから決まるためである。
さて、我々が宴会をやっている間に野田首相は最悪の選択を宣言した。大飯原発の再稼動である。
福島事故の原因も究明されず、何らかの工事もやらないまま、紙の上と口先だけで安全だと決め付けた。これは明らかに「安全神話」の再生産である。これで野田首相が国民を守るよりも「原子力ムラ」の擁護に固執するということが決定的に明らかになった。
国民の一人として、このような無謀な決定には厳重に抗議する。
それにしても福島事故で避難を余儀なくされた人を含めて、地元はおおい町、福井県の決定が理解できないという。彼等が目の当たりにした現実からは、経済を優先するということが信じられないのである。一旦事故が起こったら、暮らしも経済基盤そのものも破壊されるという厳然たる事実を経験したからである。
皮肉にも大飯周辺の滋賀県、京都府が冷静にそのことを考えることができた。
ともあれ危険な橋を渡った野田内閣はいずれ国民から見放されるだろう。

2012.06.07:

国会はわけのわからない動きをしている。というか国民に見えないところで民自公が談合して、消費税増税の衆議院通過を狙っている臭いがする。
そもそも自民党の「採決までの日程を示したら修正協議に応じる」というのは変な提案である。もし自民党が消費税法案に反対というなら採決させずに廃案にしてしまうのが国民に納得の行くやり方。しかし妥協案も出させずに日程だけ先に決めようとしているのは明らかに何らかの裏の意図があると見える。
つまり自民党にとっては消費税増税賛成だが、他にも自民党の言い分を通すために民主党を揺さぶりたいのである。それが証拠に、自民党からは民主党のマニフェストをすべて破棄せよという声も出ている。国民が民主党を選んだのはそのマニフェストに期待したからであって、その期待を名実共に完全に投げ捨てよというのは国民を愚弄するものである。しかもそれは国民がノーを突きつけた自民党政治に戻れということであって、選挙による審判抜きで実行を迫るのは民主政治の破壊でしかない。
今回のような密室談合政治はもううんざりだ。しかも民自公は増税法案を衆議院で可決しておいて閉会、継続審議にして次の国会で参議院の審議に繋げようとしている。
小沢グループが採決で造反して否決されないこともないが、それを今期待するわけにもいくまい。よってここは採決前の解散総選挙が望まれる。
なお、公明党はいつもながらの徹底した日和見主義で、どちらに転んでも自分たちが主導権を握ることだけが主目的だから、彼等には何らかの主義主張は持っていないということだけ指摘しておこう。

2012.06.06:

先日の金環食に続いて、今日は金星が太陽の前を横切るという天体ショーが見られた。私はネットでの映像しか見ていないが。
それにしても思うのはケプラーの偉大さ。
後にニュートンがケプラーの法則を補完するのだが、彼の偉大さ、すなわちそれまであった「惑星はすべて円運動をするもの」という固定観念をひっくり返して、楕円運動だということを発見したことは今も生きている。若干の補正があったとは言え、今回のような天体ショーの出現時間を正確に予想できるようになったのは彼の功績以外の何物でもない。
今日我々が当然のように認識している科学的知識の根源には、こうした先人たちの知見の蓄積がある。

2012.06.05:

昨日書いた船積書類の話、最終的に「地獄の9時間」となった。それでもKが指示したことと実際に梱包された中身の照合が一部うまくいかないため、「セミファイナル」の書類を作ってKに送った。もちろん「辻褄合わせの説明なしでは日本の税関も相手国の税関も通らない」との脅しコメントつきである。
一方で、私が手がけてきたラテン系某国がオーダーした品物の1台がやっと中国に向けて出て行くことになった。結局工場での完成から2ヶ月放置されたのである。
ただもっと問題なのは、同じ客が発注したヨーロッパ向けでまだ2台が工場に眠っており、これから夏にかけてさらに2台が製作中。工場はもうしびれを切らしていて、これらを社外の倉庫に移してその保管費を営業を通じて払わせろという要求も出している。
寒冷地で冬は川も道路も凍るとか、洪水・地震などの天災で「待った」がかかることは珍しくないが、理由なしの中断はほとんど聞いたことがない。幸いにして代金は前払いになっていたので損害が発生することはない。

2012.06.04:

今日の午後は断水で、5時には終わると聞いていたのだが5時半になっても家の前では水道管とバルブの取替工事をやっていた。
よって今夜はやむなく外食。
仕事の方はまたぞろ芳しくない話が持ち上がった。
あるジョブ番号の船積スケジュールから逆算すると梱包が終わっていないといけないのだが、まだ完成していない。当然パッキングリストが出てこないから船会社に予約ができない。乙仲からは催促がきていて、あさってまでに船積書類をもらわないと間に合わないとの通告が来た。
原因は職場のKが梱包会社にどの品物を船積するのか具体的な指示をしなかったためである。彼は苦し紛れに中途半端な情報を流して当面の危機を乗り切ろうという悪い癖があって、今回も「○○装置用部品1式を梱包してくれ」と言うだけで、入荷した部品のうちのどれが「○○装置用部品」に該当するのか示さなかったのである。
何があったのかはわからないが、結局今日もパッキングリストは来なかった。ミスを防ぐため、あさっての夕刻ぎりぎりに書類を渡すわけにはいかないので明日夕方には初版の書類を出さねばなるまい。明日は地獄の8時間となる。

2012.06.03:

2度にわたる野田−小沢会談は物別れに終わった。これで表面上消費税増税法案は民主党が多数の衆議院でさえ通過できなくなる。
ではどうなるか。
まずは口直しとして、明日野田内閣の改造が行われるようだが、問責決議を受けた2人の閣僚の他、道連れとして何人かが入れ替わるだろう。しかし肝心の増税法案の見通しは立たない。というか立てられない。
野田首相が壊れたレコードのように「不退転の決意」とか「どの内閣でも避けて通れない」を繰り返しても説得力はない。だからこそ小沢元代表は消費税増税に反対した。
ただ、小沢元代表は増税を「先にやるべきことがある」としているだけで、否定はしていない。自民党も選挙公約として時期は明記していないものの「消費税は10%にする」としている。
そこで野田内閣からは増税法案の修正協議を自民党に申し入れる動きもあるようだが、自民党が簡単に受け入れることは考えられない。もし小手先の手直しにOKしたら、次の選挙で政権回復を狙う自民党は、消費税反対の声が多い国民から見放されることは明らかだからである。
そうなると会期末が近くなった今国会での成立は絶望的。たとえ継続協議に持ち込もうとしても、今度は解散への圧力が強まってそれどころではなくなる。
いずれにせよ消費税増税成立へのハードルは一挙に高くなったわけで、本当に阻止できたとすれば、歴史に残る国民の勝利として語り告がれるだろう。

2012.06.02:

原発のストレステストだが、各電力会社共に原子炉メーカーに丸投げしているという。政府もそれをクレームしないという態度だ。
これではテストの客観性は確保できない。こんなもので「合格」とするなどもってのほか。
それにしても「原子力ムラ」の「結束力」というか反国民的態度には我慢がならない。勿論政府も「ムラ」の一員である。
しかも最近も「ムラ」からは巨額の「寄付金」という名前の買収資金が自治体や御用学者に流れている。これほどまでに原発に執着する理由は何か、それは明らかに原発の建設や運転で得られる利益である。民主党も原発関連大企業からの献金が断たれることを恐れる。そこには国民の安全という視点はない。一旦福島のような事故が起こってしまえば、底なしの費用がかかる。費用だけではなく住民の健康被害も深刻なものになる。政府が「事故などありえない」と保証できるわけもない。逆に「ありえない」という安全神話を作ったために強烈なしっぺ返しを食ったことはご存知の通りである。
それでもなお再稼動の「政治判断」をするというのならば、野田首相以下民主党政権にはお引取り願うしかない。

2012.06.01:

月が替わって今日から6月。6月といえばJune Brideという言葉が有名で結婚式場は超満員になる。
私と元ヨメは4月に結婚したから幸せになれなかった・・・などというばかげた話には聞く耳を持たない。
話は変わって橋下大阪市長が心変わりした、・・・というか変節である。一時的とは言え原発再稼動を容認した。
私から見たら「里帰り」にも見える。というのも電力が15%不足と言われて以来、急におかしくなったからである。
そもそも15%という数字にとれほどの根拠があるのか、そのことの検証なしには鵜呑みにはできない数字である。ところが彼はそれを確かめることをせずに急に容認の発言をしている。
これは私の個人的見解であるが、何らかの圧力が財界筋からかかったのではないかと見る。彼はそもそも市職員の賃下げとか文化振興の予算を削る一方で、大企業への補助金にはほとんど手を付けない。要するに自民党から民主党になっても受け継がれた、大企業が潤えばそのおこぼれが庶民に回るという考え方なのである。
よっていざとなったら庶民を見捨てるという結論を選ぶことは想像に難くない。
しかし事実を見れば判るとおり、日本の大手企業は賃下げや人減らしで利益を拡大し、反対に賃金は右肩下がりのままである。日本の法律が賃下げ、人減らしに対する歯止めが弱いからである。しかし橋下市長はまさにこの庶民イジメの路線を踏襲している。だからいざとなったら「企業活動に支障が出る」という財界の大合唱に弱いのである。