悪餓鬼日記帖:なにぃ、文句あっか! |
04.08
2004.08.31:
退院後初めての通院、主治医と面談してこの2週間の血糖値と注射量のリストを出した。
検討結果は「成績優秀」とのこと。膵臓からインシュリンを出す能力は完全に死んでおらず、いくらかは自力でまかなっているそうだ。だから予想よりも注射量が少なくて済んでいるらしい。
ということで現状の注射量と摂取カロリーを継続することになった。だが・・・
やはり今までよりも腹が減る。ここだけの話だが、少し注射量を増やしてカロリーの余裕を作ってやろうかと思っている。
2004.08.30:
台風がまたやって来た。こちらは今度も風が中心だが、四国・九州は猛烈な雨が度重なって大変なようだ。お見舞い申し上げたい。
それにしても今年の台風はコースも勢力も例年とまったく違う。関西から見ると西を通るコースが多い。だから風が強いわけだが、今頃の台風だともっと西寄りのはずで、紀伊水道から琵琶湖へ抜けるような感じがまったくないのは何か変な感じ。逆に7月末に崩れたような台風が明石を通過したりする。
太平洋高気圧の勢力範囲の異常といい、水温上昇で亜熱帯のような夏になったり、明らかに地球温暖化の傾向が出ているわけだが、これが続くようだと真剣に対策を考えないと大変なことになるだろう。
京都議定書はどこへ行った?
2004.08.29:
昨夜、急に居間にあるTVが死んだ。電源SWを入れても画像すら出ない。明らかに致命的な症状である。
それで今日は朝から家電店へ買出しに行った。同時にヨメハンがDVDが欲しいと言い出し、それに悪乗りして私の部屋にあるTVも入れ替えることにした。店頭で見つけたのはモニタだけなら1台2万円ちょっと、それもソニーのトリニトロンでこの値段だから飛びついたのである。
結局CRTモニタ2台+DVD1台でしめて10万円である。昔ならモニタ2台だけでこの価格だった。ついでに言うと液晶大画面はまだ手を出す気にはならない。まだ堅い感じが抜けないし、狭いマンションには釣り合わないからである。
午後に配達してもらって開梱&セットしたら急に気が変わり、私の部屋のものはそのままにして、子供部屋にモニタ1台+DVD、居間に1台+既存ビデオデッキを据えつけることになった。ヨメハンの要望でもある。これで我が家は1人1台の超ゼイタクTV家族生活になってしまった。
2004.08.27:
昨日のちょっと続きを。
今日、上流システムに関して現場の技術スタッフであるN氏と話をした。私と同年代で、最近設計から異動になった。
システムには疎いN氏、今どういうデータが動いているか、どういう仕組みで印刷が行なわれるかを説明してやっとわかったという様子。しかし驚いたのは、現場ではシステム外で紙の伝票がまだまだ大手を振っており、システムの中のデータと食い違う部分がまだまだあるということを全く知らなかったことである。
現場での実際の物の流れが、システムに即反映されることは少ない。特に中高年の熟練工のオジサンにデータのインプットとか検索をうまくやれなどというのはほとんど不可能に近い。だからスタッフがアシストして、彼らの仕事がうまく動けるようにしなければならないのである。ところがN氏の話を聞いてもっと驚いた。N氏を含めた多くのスタッフがシステムをほとんど利用できないのである。それも若手を含めて。
その原因は2つある。
ひとつはスタッフに現場上がりの職人さんが多いことである。今はほとんど見られなくなったが、マウスを机の端まで動かして「どうしよう、これ以上マウスが動かせない」、といったレベルから少し進歩した程度である。コンピュータについての教育をほとんど受けたことがないのだから、もちろん彼らを責めるわけには行かない。
しかし、もうひとつの問題はもっと深刻である。N氏の職場全体の伝統として、スタッフ自身がシステムのインプットをしたり、データを利用した検索や統計作りをほとんどやったことがないのである。その上に「そういう仕事は女性にまかせておけばいい」という、単なる入力のためのシステムとしか考えていないのである。これでは「生産性向上」など絵に描いた餅でしかない。また、そのようなシステムの利用の仕方を当然視しているのだから救いようがない。それでいて上司を筆頭に文句だけは一人前である。以前システムの改善アンケートを取ったら、「プルダウンメニューだけではやりにくいので、直接入力も可能にしてくれ」というのがあった。最初からそうなっているのにである。
そういう職場に異動になったN氏は不幸である。職場では誰もシステムについて教えてくれなかったからである。というか、知らないから教えられないというのが正確だろう。このように、女性任せでいつまでも進歩がない職場の雰囲気は、新入社員を含めて再生産されていくのである。
2004.08.26:
久々に「のぞみシステム」の話。とはいえ、実際は上流システムのトラブルだが。
事の起こりは印刷に関するルーチン。印刷するプリンターの指定は上流側だが、印刷が始まるトリガーの条件は「のぞみシステム」のデータ入力であり、かつ「のぞみ」用のプリンターを使って印刷するという一風変わった仕掛けがあるのだが、プリンターを指定しないケースが多発した。
指定しないと、ある特定の部署が初期値として常に設定される。そしてその部署では不要な出力として紙を捨てていた。ところがプリンターを指定すべきところの部署では、自分たちのところに紙が出ないのはおかしいと、こちらに向かってクレームすることが多かった。しかし指定は上流側なので私は徹底して「そちらが指定しないからだ」と蹴っていた。だがまずいことに上流側での教育が不十分なために、何度逆襲してもクレームが減らない。原因は上流側ユーザーがシステムに無知で、なおかつ仕掛けを理解しているサポーターがろくにいないこと。
あまりに上流側の理解が悪いため、私はついに上流側システムのSEに直接電話して、「プリンター指定の初期値を変えろ」とねじ込んだ。そして判ったのは、現状はどのユーザーIDからでも初期値はすべて同じ部署だが、指定したユーザーIDによってその初期値を変更することが可能であること。
「変更可能なことを何でユーザーに言わなかった!」
「変えろという要求がなかったもので・・・」
SEもそうだが、しっかりしたキーマンが上流側にはいないためにこういうことが起こる。
本当は私の仕事ではないし、手を出すことは越権行為なのだが、とばっちりがあまりに多いので、私が上流側ユーザーのまとめ役になってSEへ設定変更の要求を出すことになった。
もちろん上流側キーマンに「しっかりせんかい!」と一言喝を入れたが、こういう気の進まない仕事はご免被りたい。
2004.08.25:
実際のカロリーと目分量での計算の違いを思い知らされている。予想したよりも血糖値が高く、仕方なく注射の量を多めにしてその場をしのぐ日々が続いているのだ。
本当は昔やったように食べた量を秤にかけるのが最も正確なのだが、そんなことを一生やるつもりもないし、長続きするわけがない。だから糖尿病患者は実際のカロリーではなく80Kcalを「1単位」と換算して、目分量で測る訓練をするのだ。例えばコップ1杯の牛乳は1単位、トースト1枚は2単位というように。
飲み薬だけの時代ならその計算がいい加減でも済んだ。時々空腹時の血糖値とヘモグロビンA1cだけを測って、それを目安に1ヶ月単位で帳尻を合わせれば良かった。しかし今はインシュリンの量と血糖値の変化を読み取りながらですべてをコントロールするわけだから、結構神経を使うのである。いちばん怖いのは急激にインシュリンの量を増やしたために血糖値の低下を招き、倒れることである。
今は血糖値が高目だから低血糖による昏睡を起こすことはないが、インシュリンの量を増減させるコツを掴むのに骨が折れるというのが実感である。
2004.08.24:
隣の席の若者のPCが壊れた。今年度更改で新品のノートである。
いわゆる「ババを引いた」ようで、HDDが初期故障でやられたみたいだ。大量のロットだと時々こういうことがある。ウチのような大会社だと毎年の更改が全社で計1000台は下らない。もちろんメーカーはしのぎを削る。全社ですべて同じメーカーのものを買うということはなく、事務所・工場別に機種選定を自由にできるのだが、それでも今の事務所兼工場でも200台近い更改が行なわれた。こうなるとわずかながら初期故障が見つかることがある。
故障が続発するとリコールがかかることもある。ずっと以前のIBMではFDDのロット丸ごと無償交換をした。リコールではないが、私が昔使っていた富士通のデスクトップは、ウチの会社で初めてBIOSのバグが発見され緊急にパッチが公開された、などということもあった。
今回のHDD故障が偶然であることを祈る。
2004.08.23:
久しぶりの出勤、何だか体はまだ寝ている。実際、ちょっとした片付け仕事をやっただけで今日はおしまいだった。
さて、ちょっとした愚痴になるが、最近情シスでノーツの管理をやっている担当者の態度が悪い。いくつかのDBの不具合を指摘したのだが、いつも不具合の原因も言わなければ、問題が解消されたということも連絡せずにヤミで手直しをするのである。こちらとしてはバグなのか操作のミスなのかわからなくて不安で仕方がない。また、最近サーバーの改廃の関係でDBを移設しているのだが、そのスケジュールを連絡せずに勝手に移行する。だからある日突然「ファイルが見つかりません」とのエラーが出る。移行後のサーバー名は聞いているのだが、不親切なことおびただしい。ユーザーは皆怒り狂っているが、担当者は馬耳東風。ふざけた野郎だ。
2004.08.21:
昨夜は意図的に酒を飲んだ。どれくらい血糖値が上がるかのテストである。結果は収支「ゼロ」。
無茶呑みしなかったし、料理はあっさりとしたものだったからである。
それにしても、ここ当分は病気の話ばかりだ。まあ、仕方ないか(苦笑)
2004.08.19:
自宅に帰って今日は一日のんびり過ごした。
しかしこれからが血糖値コントロールの「本番」。医者曰く、常識的にはカロリーが増えるのでその分注射量は増えるだろうと。暴飲暴食はなくても、目分量の超概算で食事のカロリーを計算するから仕方がない。それを医者は見抜いている。だからといってオーバーしたとクレームはしないだろう。それは患者自身が判断すべき問題だからである。
強烈な遠視は少し戻った。
2004.08.18:
入院日記:12
午後退院した。やっと解放された感じがする。
ジグソーパズルはナースステーションに贈呈した。短い期間だったから大した荷物もなかった。
さて、入院していて困ったのが食事と寝起きの時間。食事は8時・12時・18時、起床が7時で消灯が21時。普段の生活は6時・12時・19時と5時・23時だからまったく噛み合わない。特に朝は必ず5時に目が覚めてしまうので非常に困った。それとこれは意外なことが起こったのだが、急に遠視が進んでしまったことである。多分注射がきっかけと思われるが確証はない。とにかく自宅に帰って17インチのCRTでも小さな字がものすごく見にくいのである。これからどうなるのか、ちょっと不安になった。
2004.08.17:
入院日記:11
ジグソーパズルも完成して、次は本にした。ちょうどハリーポッターの5作目「フェニックスの騎士団」のペーパーバックが出たところなので、それを買ってきて読み始めた。
既刊の4作同様、しょっぱなからスリルの連続である。今回は全766ページ、さすがに退院までに読み終えることは無理だ。
と、昼前に書いた後・・・
夕方に主治医が来て、退院と決まった!
明日昼過ぎに病院を出る。14日の日記に書いたストーリー通りである。ドクターも予想外の安定した血糖値が得られたことに感心していた。もっとも、得られた結果はあくまで「純粋培養」状態のものだから、普段どおりの生活に戻った時のことはまた別問題。そのことはもちろん互いに認識した上での判断である。従って退院後の経過をこれから続けてモニタリングすることになる。そのために、注射と一緒に携帯の血糖値測定器を常に持って歩くことになる。
2004.08.16:
入院日記:10
インシュリン注射による血糖値の時間的変化が少しづつ見えてきた。普通は食後の上昇が押さえられる富士山のようなカーブだが、私の場合、さらに腸での糖の吸収を阻害する飲み薬も併用しているので、やや複雑になる。食後、一時的に血糖値が大きく下がり、そしてまた回復する。ちょうど心電図のような感じである。
ジグソーパズルが完成した。ちょうど6日目である。昨日画期的な攻略法を見つけてから一気に進んだ。完成したものは額縁に入れてベッドの横に置いている。
2004.08.15:
入院日記:9
今日は敗戦記念日。正午に黙祷した。
病院にいるのであまり細かい話は書けない。しかし今年も閣僚他好戦主義者たちは靖国へ行った。自衛隊の海外派兵とともにこういうことが続く限り、アジアの国々の警戒心がゆるむことはないだろう。
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ジグソーパズルをやっていると看護師が珍しそうに覗いて行く。退屈な入院生活では珍しくないと思うのだが、私の年代でやる人は少ないせいだろうか?
2004.08.14:
入院日記:8
入院して1週間が過ぎた。
主治医と面談。昨夜の注射「中止」は後に響いてまずいので、低すぎる時は量を減らすことで合意。それにしても注入量の匙加減は難しい。
現在の血糖値のモニタリング結果では、早めの退院が期待できそうだ.優秀な(?)患者で、意外と早く安定した結果が出ているらしく、週明け火曜日に主治医と再度話し合って決定する。早ければ水曜日「出所」か?
ジグソーパズルはかなりてこずっていて、やっと4割くらい完成。このペースだと退院までには完成しそうにない。
2004.08.13:
入院日記:7
昨夜、痴呆気味の老婆が夜っぴてぶつくさしゃべるのが止まらず、遂にベッドごと廊下に出されてしまった。徘徊とか暴力を振るうようなことはないのだが、時折間違えてこちらの病室に来てみたりとかする困ったバアサマであったことは確かで、看護師は手を焼いていたようだ。
本人には自覚がないので文句を言っても仕方ないのだが、周囲は疲れることおびただしい。
夕食前の血糖値が100を切ったので、夕食分の注射は中止。
2004.08.12:
入院日記:6
ちょっと病室を抜けて、ヨメハンと向かいの喫茶店へ行きコーヒーを飲んだ(もちろん砂糖は入れず)が、抜け出したことが看護師にバレて小言を食らった。
暇つぶしにやりだしたジグソーパズル、結構単調なデザイン(並木道)のせいで時間がかかっている。ひょっとしたら退院までには完成しないかもしれない。
2004.08.11:
入院日記:5
心電図を採った。理由は聞いていないが、注射による影響をチェックしているように思える。踏み台を4分間昇り降りする前後の2回計測。もちろん異常なし。
インシュリンの最適値の模索は今日も続く。一旦は6単位×3回に変更したが、朝食の量が少ないために昼前の血糖値が下がりすぎることがわかった。よって4・6・6の合計16単位にさらに変更することが決まる。
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息子がやってきた。ヨメハンは毎日来てくれているが、息子は盆休みで部活も休みに入り、それで顔を出した。
それにしても買い物をしてから来たのはいいが、「クワガタ」を持って来るとは・・・(T_T)
聞くところによると、中学生でも「カブトムシ」や「クワガタ」を飼うのが当たり前だというが、私にしたら幼いとしか思えない。
2004.08.10:
入院日記:4
今日は主治医と面談。今後について話し合った。まず注射の効果は予想以上とのこと。確かにピーク値は尿に糖が混じらない限度を超えているが、空腹時は正常な人並になっており、OKとの医者の見解だった。
ただこちらとしての問題は、入院している状態での食生活と注射量をそのまま実生活に持ち込むには難点があること。それを話した結果、注射は一日2回16単位(昨日のccは間違い)を6単位×3回に変更、食事は一日1600カロリーから1800カロリーにアップすることになった。
注射について、主治医は会社で注射を行う必要がないようにとに気を使って2回にしたと。しかし私は既に注射になることを会社で宣言しており、かつ通勤時間が長いので朝食と昼食の間隔が長いので、朝に大量の投与では昼前に低血糖を起こすことを説明し、理解してもらった。またカロリーは腹が減りすぎるのと事務職とはいえ必要なカロリーとしては不足するとの結論になった。
さて、もてあます暇をどう過ごすかだが、久しぶりにジグソーパズルに挑戦することにした。ヨメハンに1000pcのものを買ってきてもらった。若いときから好きでやっていたから、1週間もあれば完成する。
2004.08.09:
入院日記:3
向かいのオジンはちょっと我儘な性格なのか時々看護師と衝突し、評判が悪い。今日も昼食をお粥にしたいと言った、言わないでもめていた。
今朝からインシュリンの注射が始まった。朝食前に10cc、夕食前に6ccを打つ。この注射器、見た目は太目のシャープペンシルである。これを腹の皮下脂肪のところにブスッと突き刺す。針はとにかく細く、突いた一瞬だけチクリとするだけで、さっさとシリンダを押して注入すればおしまいである。昔のように予防注射のようなガラス製シリンダと太い針というイメージはまったくない。時代は進歩している。
それと今は携帯の血糖値測定器があり、これでモニタしながら注射をする。低血糖のトラブルを起こさないためである。最近ニプロが開発したもので、専用の針で指先に傷をつけ、出てきたわずか3μLの血液をセンサーに染み込ませて測る。表示が出るまでわずか2秒、とてつもないスグレモノである。
初めての注射の経験で少しビビッたが、覚悟を決めて突き刺すしかない。「初めてにしては手が震えない」と褒めてもらった。
ところでインシュリンの効果は絶大とみえて、昼前に低血糖気味になり、冷や汗が出始めた。ひどい場合は倒れるし、もっと激しい場合は昏睡状態に陥ることもあるので、こういう症状が出たらブドウ糖の粉を飲む。だから注射は使い方が難しいのである。幸いその時点で測った血糖値は107だからひどいことにはならなかったが、私の個人的傾向として100に近くなると冷や汗、イライラ、震えが出るようだ。昔、飲み薬だけの時も食事の前にそのようなことがあった。
2004.08.08:
入院日記:2
とにかく暇である。「食っちゃ寝」だけの生活だから、何もすることがない。よって持ち込んだモバイルPCがちょうど良い暇つぶしになる。
今日と明日は普通の食事。その間毎食後1時間後それと起床後の空腹時に血糖値を計る。また尿はすべてタンクに溜めておき、どれだけの糖が排出されているかも見る。医者に言わせると数十mgは出ているだろうとのこと。処理できずに余った糖が多量に出るのである。
ちょっとここで腎臓の機能の説明をしておく。腎臓の中には「糸球体」という毛糸を丸めたような組織がびっしり詰まっており、そこで血液のろ過を行う。構造的には一種の浸透膜である。血液中の水分、血清分は一旦排出され、栄養分など必要なものは再吸収されると同時に体に不要な老廃物などが水分に溶けた尿として腎臓から膀胱に送られる。
その際、本来は再吸収されるべき物質が尿に含まれて排出されることがある。尿検査はそれを検出するために行い、糖や蛋白などが含まれていれば病気の可能性が疑われることになるのである。
糖が排出されてしまう原因は腎臓自身の機能が低下している場合もあるのだが、糖尿病の場合は明らかに腎臓の処理能力を超える量の糖分が血液に含まれ、過負荷になったことにある。正常な人なら食後でも血糖値が限界を超える(おおよそ150mg/dl)ことはないのだが、糖尿病の人はインシュリンの出る量が少ないか出遅れになるため、腎臓で吸収されなかった糖が出てしまうのである。
ただ、糖尿病の初期の段階では食後にしか糖が出ないため、食間の検査では見つからないことが多い。ところが私のように進行すると24時間糖が出たままとなる。現在の私の血糖値は、空腹でも190、ピークは300を超える。こうなると腎臓は悲鳴を上げ、放置しておくとやがて組織は破壊される。そうなったら組織は再生せず、人工透析しか手段はなくなる。そしてその先は廃人である。
さて、明日からはいよいよインシュリン注射が始まる。
2004.08.07:
入院日記:1
予告はしていなかったが、今日から約2週間の入院生活に入った。
原因は20年来患ってきた糖尿病が少し悪化し、血糖値が上がったまま下がらない状態になったためで、いよいよインシュリン注射をしなければならなくなったのである。それで、注入の適正量を決定し、自分で注射を練習するその準備をすることになった。
今朝入院手続きを済ませ、病室に入った。6人部屋で私を入れて5人、隣と向かいの老人は体が不自由で寝たきりである。何の病気かは聞いていない。
生まれて初めての入院、ちょっと戸惑いもあるが、看護師(今は看護婦とは呼ばなくなった)は割りと丁寧で、親切にあれこれ面倒を見てくれる。私は入院患者らしくなく、表面は極めて健康に見えるし、相も変わらず大きな声でしゃべる。しかし体の内部ではとんでもないことが起こっている。血糖値が下がらないので腎臓に猛烈な負担がかかり、このままでは耐え切れなくなった腎臓が機能を停止して、人工透析にまで進行してしまう可能性がある。そうなると人生は終わりである。だから今のうちに手を打っておく必要がある。そのためのインシュリン注射なのだ。
入院してわかったが、病棟独特の臭いの中心は尿と消毒薬のようだ。隣の老人はオムツを当てている。そしてその交換の時にはやはり臭いが漂う。もちろん本人の責任ではないし、当人も辛いだろう。しかしそれが病棟なのだ。誰が好きで入院などするか。病院に入っている人達は何らかの理由で普通の生活ができなくなり、集中的に治療をするために来ている。私も普段の生活では正確な血糖値や注射の効果ができないので、安定した条件を整えるために入院しているのだ。
今いるところは救急指定病院。日に何回か救急車がサイレンを鳴らしてやってくる。夕刻、喫煙のために外に出たら、ある男性が電話で「5時4分、(息を)引き取りました。お世話になりました」と告げていた。
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会社のモバイルを持ち込んだ。H"だから影響はあるまい。ちょうど入院中の仕事の宿題でA41枚ほどのものを頼まれた。それを理由に借りてきたのである。
従って日記の更新はしばらく病室からとなる。しかし、自宅に近いし、ベッドに縛られる必要もないと医者が許してくれているので、時には自宅からとなるかも知れない。
2004.08.04:
「のぞみシステム」に関して、妙なことを言い出した課長サンがいる。
請負工事や役務の仕事を下請に頼むという話はどこにでもあるのだが、この課長サンが仕切る部署ではこういった仕事の毎月の出来高を入力している。で、この出来高は毎月20日を区切りにし(「〆日」という)、月末に検収(支払日までのカウントを始めることで、ウチの会社では下請企業には20日後に現金や手形で支払うケースが多い)することになっていた。
ところがこの課長サン、理由は良くわからないのだが、この〆日を30日にして即検収したいと言い出したのである。
いつを〆日にするかに制限はない。企業によっては15日というところもある。そして〆日をどうするかは課長サンが自由に決めることが出来る。しかしである。月末日に出来高金額を下請と協議・決定して、「のぞみシステム」には月末データの入力期限である翌月の第一労働日中(つまりたった一日!)に入力するという離れ業をやろうというのである。しかも件数は100をはるかに超える。これまでだったら、20日締切だから10日ちょっとの余裕があった。何故そんなに焦って自らの首を締めるようなことをするのか、理由は言わない。
そしてもっと驚いたのは、月末検収・支払データの自動転送が第1労働日の夜間と全社で決まっているのを知らないのか、「お互い努力して、入力の期限を第2労働日にしませんか」と提案してきたのである。
全社で年間スケジュールまでが決まっているホスト機の締切を「努力して」変えることなど不可能である。この脳天気の課長サンは大規模な業務システムがどんなものかをまったく理解していない。
彼は他にも「前科」がある。まず彼自身のPCで「のぞみシステム」を使えるのに、検索ですら一度も使ったことがないことである。それゆえに彼の部下から「のぞみシステム」に対する無理難題の要求や質問を防ぎきれず、私のところへ怒鳴り声の電話が何度もかかったのである。
さらには彼も一緒になって規則違反の要求さえしたことがある。何かと言うと、請負工事や役務を依頼する伝票で物品を買えないのはおかしい、と言ってのけたのである。これは経理・会計上許されない。仕事が終れば即消費されたとみなす役務と違って物品は使って切ってしまうまで資産計上しないといけないのだが、課長サンはその区別が必要なことも知らなかったのである。
何十年会社にいて、他の部署がそれぞれどんな仕事をしてどう連携して動いているのか、基本的なポイントすら知らないのでは本当に困る。
2004.08.03:
私はこのサイトではなるべく顔文字を使わないようにしている。だが、ネット仲間の間では結構使うし、会社でも時折冗談交じりで使ったりする。今日もこんなことがあった。
別事務所にいる私と同年代の社員との間でメールをやりとりをしていたのだが、向こうからある書類を送って欲しいというので、「お安い御用!」というつもりで、
はい、どうぞ
(
^-)_旦~~
というメッセージとファイルを送った。
すると、相手からめちゃくちゃ気に入ったとの返事が返ってきた。理由は、ちょうど仕事で頭にくるようなことがあってカリカリしていた時に、私のメールが入ったので、一息つけたということだった。そんな会話から私が常用している顔文字辞書を送ることにもなった。
もちろん私は顔文字を乱用したメールを洪水のように送る性格ではない。しかし時にはちょっとしたアクセントとして使うことに楽しみを感じる。それが「座布団一枚!」とはならなくても、ちょっとした清涼剤にでもなれば幸いである。
2004.08.02:
怒りで体が震えるニュースを見た。政府税調が退職金に対する増税を検討し始めたという。
いい加減にしろ、と言いたい。理由である「終身雇用がなくなりつつあるので退職金を優遇する必要がなくなった」というのは、単なる口実としか思えないからだ。
確かに大企業を中心に終身雇用が崩れつつあるのは事実だ。ならば退職金制度そのものは勝手にすたれていくはずだ。なくなっていくものに増税をしてどうするつもりだ。さらに、今後は退職金に替わって企業年金になっていく傾向が強まっている。政府税調はそれに対しても「税制のあり方を検討していく」としている。ということは増税だ。つまり縮小していく退職金にも増税、増える企業年金にも増税と、どちらに転んでも税をむしり取ることを考えているわけだ。
その昔、律令制の時代に「租庸調」という形の税で庶民は苦しめられた。現代は税金・年金・健保の「租・租・租」で疲弊させられている。
2004.08.01:
今年はほとんど雨の降らない梅雨、なおかつ猛暑のまま8月に入った。
最近は休日ともなると1日に2回シャワーを浴びる。PC部屋に冷房はなく、猛烈に汗をかくからだ。
一方、会社ではオンボロの古いパッケージクーラーからの冷風が私の席を直撃するので、長袖Yシャツのまま過ごす。なんというアンバランスだろう。