TA(Traffic Advisory) |
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TCASシンボル機が接近しており、自機に最も接近すると思われる地点に到達する約40秒前にTA状態となります。TCASシンボル機がTAゾーンに入ると、TCASシンボルが●シンボル(アンバー色)に変わり、ND右側に『TRAFFIC』(アンバー色)メッセージが出てスピーカーから「トラフィック、トラフィック」と人工音声が注意を促します。この時、TCASシンボル機がNDレンジの表示範囲外を飛行中であれば『OFFSCALE』(表示範囲外)メッセージが表示されます。又、TCASシンボル機がどの方角にいるのか判明しない時はTCASシンボルは表示されませんが、代わりに『TRAFFIC』メッセージの下にTCASの種類(TAかRA)、当該機までの距離(マイル)が表示されます。当該機のトランスポンダーが高度送信機能を有している場合、高度差及びバーチカルモーション・アローも併せて表示されます(表示例:TCASシンボル機が自機から5.3マイル離れ、900FT下におり、500FPM以上で上昇中の時/ TA 5.3 -09 ↑)。 |
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他機がTAゾーンに入るが、NDレンジの表示範囲外にいる為、『OFFSCALE』メッセージが表示される。 |
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他機がRAゾーンに入るが、他機の方位情報が得られない為ND内にTCASシンボルを表示する事が 出来ない時、『TCASの種類(RAかTA) 距離 高度差 現在の上昇/降下状況』がTCASメッセージ として表示される。但し高度差、現在の上昇/降下状況は相手機が高度送信機能を有しているトラン スポンダーを装備している時にのみ表示される。 |
RA(Resolution Advisory) |
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TCASシンボル機が接近しており、自機に最も接近すると思われる地点に到達する約25秒前にRA状態となります。TCASシンボル機がRAゾーンに入るとTCASシンボルが■シンボル(赤色)に変わり、ND右側に『TRAFFIC』(赤色)メッセージが出てスピーカーから「トラフィック、トラフィック」と人工音声が注意を促します(TAゾーンからRAゾーンに他機が侵入してきた場合、TA段階で一度人工音声が注意を喚起しているので再度鳴りません。PROXIMATE
TRAFFICの段階から急にRAゾーンに侵入してきた場合、TAゾーンを経ないので人工音声が注意を喚起します)。 |
● まずは回避の初期段階に出る音声について紹介しましょう。
指示 | 水平儀の状況<例> | 自機と 他機との 位置関係 |
人工音声 | 解説 |
上昇 | ![]() |
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「クライム、クライム、クライム」 | エアプレーンシンボルが赤い台形のエリア内に入らないようピッチを上げて上昇する。 |
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「クライム、クローシングクライム、クライム、クローシングクライム」 | エアプレーンシンボルが赤い台形のエリア内に入らないようピッチを上げて上昇する。他機も自機と同様に上昇しているが、安全な間隔が保たれたまま他機の頭上を通過する事が出来る。 | ||
降下 | ![]() |
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「ディセンド、ディセンド、ディセンド」 | エアプレーンシンボルが赤い台形のエリア内に入らないようピッチを下げて降下する。 |
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「ディセンド、クローシングディセント、ディセンド、クローシングディセンド」 | エアプレーンシンボルが赤い台形のエリア内に入らないようピッチを下げて降下する。他機も自機と同様に降下しているが、安全な間隔が保たれたまま他機の下を通過する事が出来る。 | ||
計器の 確認 |
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「モニター・バーチカルスピード、モニター・バーチカルスピード」 | RAピッチコマンドバーのエリア内に自機のピッチシンボルが入り続けている場合、注意を促す。他機との衝突を避ける為、RAピッチコマンドバーのエリア外にピッチを持っていくようコントロールしなければならない。左図の場合、上昇しなければいけない。 |
● 最初に出した指示ではTCASシンボル機との安全な間隔が保てないと判断すると、状況に応じて新たな指示が出ます。
指示 | 人工音声 | 解説 |
上昇率を上げる | 「インクリーズクライム、インクリーズクライム」 | 現在の上昇率ではTCASシンボル機との安全な間隔が保てない時、新たな指示が出る。更にピッチを上げる必要がある。 |
上昇率を下げる | 「リデュースクライム、リデュースクライム」 | 現在の上昇率ではTCASシンボル機との安全な間隔が保てない時、新たな指示が出る。少しピッチを下げる必要がある。 |
降下率を上げる | 「インクリーズディセンド、インクリーズディセンド」 | 現在の降下率ではTCASシンボル機との安全な間隔が保てない時、新たな指示が出る。更にピッチを下げる必要がある。 |
降下率を下げる | 「リデュースディセント、リデュースディセント」 | 現在の上昇率ではTCASシンボル機との安全な間隔が保てない時、新たな指示が出る。少しピッチを上げる必要がある。 |
反対の指示 | 「ディセンド、ディセンド・ナウ、ディセンド、ディセンド・ナウ」若しくは「クライム、クライム・ナウ。クライム、クライム・ナウ」 | RAの初期段階では降下/上昇を指示していたが、反対に上昇/降下した方が安全な間隔を保てるとTCASが判断すると、今までと反対の指示を出す。 |
● TCASシンボル機が通過した時やTCASシンボル機との間隔が増加して衝突の恐れがなくなると、回避指示は終了します。この際、「クリア・オブ・コンフリクト」(衝突は回避された)と人工音声がアナウンスされ、PFDからTCASピッチコマンド及びバーチカルガイダンスの表示が消えます。