事故詳細

(事故No,20070625a)

 2007年6月25日午前10時40分頃、カンボジア・シエムレアプ発同国シアヌークビル行きPMT航空241便アントノフAn-24-RV(XU-U4A)(チャーター便)が、巡航中にプノンペンの南方約167km、シアヌークビルの北東約50km、同国南部カンポート州ボコール山山頂付近の北東側斜面標高1640ft地点の急傾斜な密林地帯に墜落した。
 この事故で、乗員6名、乗客16名、計22名全員が死亡した。
乗客の国籍は13名が韓国、3名がチェコ、乗員の国籍は運航乗務員は1名がウズベキスタン、3名がカンボジア、客室乗務員2名がカンボジアであった。韓国人乗客はツアー客で10名は家族旅行中であったと伝えられる。
 事故機は午前10時頃にシエムレアプ・アンコール空港を出発した。  捜索活動にはカンボジアの軍警察約1000名や地元住民も参加して行われたが、悪天候により中断を余儀なくされるなど墜落現場はなかなか明らかにならなかった。墜落地点の確認にはアメリカの人工衛星も用いられたが、最終的に確認されたのは、6月27日午前7時15分頃、カンボジア軍のヘリコプターによってであった。韓国のメディアの報道では墜落地点は北緯10度50分982秒、東経103度55分417秒と伝えられた。
 機体は右主翼が激しく破損したが、胴体部分は大きく分解することなく比較的原形を留めており、遺体は1名を除き、機体の内部から発見された。また火災や爆発を起こした形跡も認められなかった。遺体は27日夜にはカンボジアの首都プノンペン市内のカンボジアーロシア友好国立病院に搬送され、28日午後までに韓国国立科学捜査研究所と遺族による身元確認が終了した。
 報じられたところでは、事故当時現場付近は豪雨であり、事故機は目的地周辺を旋回していた。墜落直前にシアヌークビル空港の管制官から高度が非常に低いとの指摘を受けていたが、事故機からは「ここの地形は自分が良く知っている」との回答があった。このため操縦士の過失が疑われている。


(C)2007 外山智士
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