事故詳細

(事故No,20070505a)

 2007年5月5日午前0時6分、コートジボワール・アビジャン発カメルーン・ドゥアラ経由ケニア・ナイロビ行きケニア航空507便ボーイング737-8AL(5Y-KYA)が、初期上昇中にドゥアラ空港の南東約5.5kmのカメルーン南部の熱帯雨林の湿地帯に墜落した。
 この事故で乗員9名、乗客105名、計114名全員が死亡した。乗員乗客の国籍は、カメルーン35名、インド15名、ケニア9名、南アフリカ7名、中国6名、アイボリーコースト6名、ナイジェリア6名、イギリス5名、ニジェール3名、中央アフリカ2名、コンゴ民主共和国2名、赤道ギニア2名、スイス1名、スウェーデン1名、アメリカ1名、ガーナ1名、トーゴ1名、マリ1名、エジプト1名、セネガル1名、タンザニア1名、ブルキナファソ1名、コンゴ共和国1名、モーリシャス1名、コモロ連合1名、国籍不明3名であった。
 墜落現場の確認は、密林という地形的な悪条件のうえ豪雨や霧に見舞われるなど天候不良が重なり難航した。カメルーン当局が事故機から自動発信された遭難信号と見られる信号をドゥアラの南西約35nmの地点で受信したことから、当初はこの付近で墜落が確実と見て捜索していた。その後、遭難信号を受信することは出来ず、このことも墜落現場確認の妨げとなった。後にケニア航空当局が、自動発信の遭難信号は離陸直後に受信されたと述べている。なお、カメルーンのメディアも墜落当初はドゥアラの南方の海に面した街Niete近郊に墜落した模様と報じていたが、後に内陸部で墜落した模様である旨訂正した。
 事故機はアビジャン−ドゥアラ間の飛行では何の問題も生じることなく、5月4日午後10時頃ドゥアラに到着した。本来ならば午後11時にドゥアラを離陸する予定であったが、激しい雷雨のため出発を一時見合わせた。天候が回復したのを受けて、事故機はドゥアラ空港を午前0時5分に離陸した。離陸の際に管制官から、高度5000ftに到達したら報告するように指示を受けたが、この交信が最後となった。事故機は高度約3000ftまで上昇した後、高度を喪失し、木々の生い茂った湿地帯に約45度も機首を下げた状態で墜落した。ケニア・ナイロビには午前6時15分に到着する予定であった。
 ドゥアラは200万人の人口を擁するカメルーン随一の経済都市で基幹産業の他、国家的な輸出産業の拠点でもある。
 ケニア航空はアフリカの主要航空会社で、アフリカでは数少ない黒字経営の航空会社であるとともにアフリカで最も安全な航空会社の一つと評されてきた。
 事故機は2006年に製造され、就航から6ヶ月しかたたない新造機であった。


(C)2007 外山智士
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