事故詳細

(事故No,20061029a)

 2006年10月29日午前11時30分頃、ナイジェリア・ラゴス発同国アブジャ経由同国ソコト行きADC航空53便ボーイング737-2B7(5N-BFK)が、アブジャ国際空港を離陸直後、初期上昇中に滑走路端から約1マイルのトウモロコシ畑に墜落した。
 この事故で、乗員5名、乗客100名、計105名のうち乗員4名、乗客92名、計96名と地上の1名の合計97名が死亡し、乗員1名、乗客8名、計9名が負傷した。死亡した乗客の中には同国のイスラム教の最高指導者も含まれていた。同国には7000万人のイスラム教徒がいる。
 事故機は、尾翼周辺が比較的原形を留めたが、大破し炎上した。炎は長時間にわたって燃え続けた。伝えられるところでは、墜落現場では、おおよそサッカー場程の面積に機体の残骸や搭載物などが散乱した。救助作業は事故当日の午後5時に終了した。
 事故当時アブジャ周辺は激しい風雨に見舞われ天候は徐々に悪化しつつあり、管制官は出発を見合わせるように事故機の運航乗務員に助言を与えたが聞き入れずに、離陸を強行した。なお、離陸の直後に突然炎上したとの情報や、墜落する前に2度の爆発音を聞いたとの情報がある。墜落現場は車両が乗り入れられず、徒歩でも滑走路端から約15分かかることから、捜索活動にはヘリコプターを使用している。
 本件の発生を受けて、ナイジェリア政府は3日間服喪の日を設けた。また、同政府はADC航空を運航停止とすることも発表した。ADC航空はナイジェリア国内線を運航する同国の主要航空会社である。
 事故機は1983年に製造された。


(C)2006 外山智士
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