2006年8月27日午前6時7分頃、アメリカ・ケンタッキー州レキシントン発同国ショージア州アトランタ行きデルタ航空5191便(運航はコムエアー)のカナデアCL-600-2B19(CRJ-200ER)リージョナルジェット(N431CA)が、レキシントン・ブルーグラス空港を離陸直後に滑走路端から約800m西方の農場に墜落した。
この事故で乗員3名、乗客47名、計50名のうち、乗員2名、乗客47名、計49名が死亡し、副操縦士1名が救出されたが重体である。乗客の国籍はアメリカが大半で、日本が2名であった。
FAAによると、事故機は午前6時5分に離陸の許可を受け、その際に行った更新が最後の交信となった。事故当時、現場付近は夜明け前であったが天候は良好であった。事故機は墜落後爆発炎上したが、空港の消防隊が早期に墜落現場に到着したため、消し止められた。検死の結果、死者の死因は主に焼死と見られており、遺体の身元確認は歯型を用いて行われた。
事故当日にNTSB(米国国家運輸安全委員会)が記者会見で明らかにしたところによると、ブルーグラス空港には全長2100mの旅客機用の滑走路22と、全長1050mの小型機の滑走路26の2本の滑走路が設置されており、事故機は小型機用の短い滑走路に誤って進入しそのまま離陸した。事故機が安全に離陸するには少なくとも1350mの滑走路長が必要であった。このため、離陸滑走で必要な速度を得られず、離陸後に失速し高度を喪失、墜落に至ったものとみられる。NTSBによると、管制官は旅客機用の滑走路22から離陸するよう指示しており、CVRの初期解析結果によると、機長は滑走路の誤りに気付かず、滑走路22を使用していると思い込んでいたとみられる。滑走路22は事故前週の末まで再舗装工事が行われており、このことが機長のヒューマンエラーを惹起したとの見方も示されている。なお、管制官についても、本来2名で勤務するところを1名のみで勤務し、しかも仮眠を2時間程度とっただけで勤務を継続するなどしており、疲労により事故機が誤った滑走路に進入していることに気付かなかった可能性も示唆されている。
コムエアーはデルタ航空の子会社で、北米地域で主に地方路線を運航している。
事故機は2001年1月に製造された。