2006年7月9日午前7時50分頃、独立国家共同体ロシア連邦・モスクワ発同国イルクーツク行きシベリア航空778便エアバスA310-324(F-OGYP)が、イルクーツク空港への着陸の際に滑走路をオーバーランし、コンクリートの壁や駐車場ビルなどに激突した。
この事故で、乗員8名、乗客195名、計203名のうち、乗員5名、乗客120名、計125名が死亡した。乗客の国籍は大半がロシアであったが、ドイツ国籍・中国国籍等の外国籍の者12名が含まれていた。
事故機には夏休みをバイカル湖畔で過ごす予定の児童らが多数搭乗していた。生存者の中には自力で機体の割れ目から脱出した者もいた。
着陸の際、第1エンジンのスラストリバーサーが作動せず、同エンジンのスラストはアイドルまで戻された。第2エンジンのスラストリバーサーは正常に作動した。スラストレバーを操作中に機長は不注意にも第1エンジンのスラストレバーに触れ、気付かない間にエンジンの推力を増加させた。副操縦士はエンジン計器の数値を充分にモニターできておらず、推力の異常に気付かなかった。事故機は時速約80kmで滑走路を飛び出しコンクリート壁などに衝突して炎上した。
事故機は機体前部が大破し爆発炎上した。事故当時、空港は悪天候のため低視程で、雨のため滑走路面が濡れており滑りやすかったと伝えられる。
ロシアは本件の発生を受けて、7月10日を国民服喪の日とした。
事故機は1987年に製造された。