事故詳細

(事故No,20051210a)

 2005年12月10日午後2時8分、ナイジェリア・アブジャ発同国ポートハーコート行きソソリソ航空1145便DC-9-32(5N-BFD)が、ポートハーコート空港に着陸の際に同空港に墜落した。
 この事故で乗員7名、乗客103名、計110名のうち、計107名が死亡し、1名が負傷した。(死者のうち6名は生存者として救助されたが、病院での手当の甲斐なく4名が翌日に、残りの2名も3日後までに死亡した。)
 事故当時、ポートハーコート空港周辺は悪天候であった。墜落直前に事故機近傍で落雷があったとの目撃情報がある。また他の目撃情報によると、事故機は墜落後に大きな爆発が続き激しく炎上した。機体は大きく3つに割れ、滑走路上には残骸の破片などが散乱した。乗客の家族の多くは、出迎えに空港に来ており事故機の墜落炎上を目撃した。
 ブラックボックスは事故翌日までに回収された。事故翌日、ナイジェリア運輸相は、墜落現場を視察後、事故機が滑走路をそれて排水路に衝突し、機体が割れて炎上したとの見解を示した。
 乗客には、アブジャにあるカトリック系のIgnatius Loyola Jesuit College(生徒数約600名の寄宿学校でナイジェリア国内屈指のエリート校)の生徒(12歳から16歳)71名(うち1名はアメリカ国籍)が含まれていた。生徒らはクリスマス休暇で帰省途中であった。また、乗客には国境なき医師団のフランス国籍の男性1名とアメリカ国籍の女性1名も含まれていた
 回収された遺体は、いずれも火炎による損傷を受けており、一部は身元の確認が不可能な状態にまで焼損していた。
 ソソリソ航空は、ナイジェリアで1994年に設立された民間航空会社で、2000年に国内6都市を結ぶ国内線に就航した。これまでに事故歴はなく、ナイジェリア国内の航空会社の中では安全性の評価は高かった。
 ナイジェリア国内では、近年航空輸送が急速に増加しているが、それを支えるフリートは、多くが中古の経年機であり、安全性への懸念が呈されている。同国オバサンジョ大統領は、本件の発生に伴い、安全が確認されるまで、ソソリソ、Chanchangiの両航空会社の運航を停止させるとともに、航空業界の経費節減が、乗客の命を犠牲にして行われたことと、それを見逃す腐敗があったことを批判し、航空省高官を更迭した。
 ポートハーコートは、石油採掘を主要産業とするナイジェリア南部の沿岸都市である。
 事故機は1972年に製造された。


(C)2006 外山智士
ホームページに戻る 民間航空データベーストップページに戻る 世界の航空事故総覧トップページに戻る 全件表示に戻る 年代別検索に戻る 航空会社別検索に戻る 機種別検索に戻る 事故発生国別検索に戻る