2005年2月3日午後3時15分頃(午後5時頃との情報もある)、アフガニスタン・ヘラート発同国カブール行きカムエアー(本社:アフガニスタン)904便ボーイング737-242(EX-037)が、パキスタンのペシャワル空港に目的地を変更して向かう途中にカブールの東約32km地点、アフガニスタン・Band-e Ghazi近郊の山中に墜落した。
この事故で乗員8名、乗客96名、計104名全員が死亡した。乗客の国籍は9名がトルコ、6名がアメリカ、3名がイタリア、1名がオランダ、乗員の国籍は6名がロシア、2名がアフガニスタンであった。
事故機は、吹雪のためカブール空港に着陸できず、管制塔にペシャワルへの目的地を変更を要請した後、レーダーから機影が消えた。この時間帯にカブール東部Butkhak地区の複数の住民が大きな爆発音を聞いていた。
アフガニスタン政府とNATO率いる国際治安支援部隊(ISAF)が翌2月4日朝から捜索を行い、2月5日に墜落現場を確認した。
墜落現場は、積雪に覆われた標高約3353m地点の山中で、捜索活動中のISAFのアパッチヘリコプターが発見した。捜索隊は、一時ヘリコプターにより墜落現場に下りたが、あまりの悪天候のため、カムエアーのロゴの入った残骸の写真などを撮影してすぐにヘリで現場を離れた。悪天候は捜索隊の活動を阻み、ようやく現場での活動が開始出来たのは天候が回復した2月7日のことであった。
事故当日、カブール空港周辺は猛烈な吹雪で、航空機の発着は全て見合わされていた。カブール空港は盆地にあり、周囲を高い山に囲まれているため、とりわけ冬場は低視程などで気象条件が悪くなるが、レーダーなどの設備がないため、欠航や目的地変更が相次ぐことで知られている。
カムエアーは、2003年11月に設立されたアフガニスタン唯一の民間航空会社で、リース機でカブール−ドバイ−イスタンブール間の国際線と、いくつかの国内路線を運航している。
本件はアフガニスタン史上最悪の航空事故となった。
事故機は1980年に製造され、フェニックスアビエーション社からカムエアーにリースされていた。