2003年1月9日午前8時45分頃、ペルー・リマ発同国チクラヨ経由同国チャチャポヤス行きTANSペルー航空(TANSは、Transportes Aereos Nacionales de Selvaの略)222便フォッカーF-28-1000(OB-1396)が、チャチャポヤスへ着陸進入中に空港から約16Km北方の山岳地帯に墜落した。
この事故で乗員4名、乗客42名、計46名全員が死亡した。
事故機は午前8時17分にチクラヨを出発、最後の交信は午前8時43分で到着予定時刻の3分前であった。 事故当時現場付近は低い雲に覆われていたが、降雨はなかったと見られている。
墜落現場は標高3300mのCerro Coloque山の中腹、標高約2300m地点の岩の多い高地であり、雨季の大雨と雨雲が捜索活動を妨げ、消息を絶ってから墜落現場が確認されるまでに2日を要した。残骸等はおおよそ半径400mの範囲に散乱した。遺体の回収等はヘリコプターで行われた。
現場付近の複数の農民が低高度を飛行する事故機を目撃し、爆発音を聞いたと証言した。
ペルーでは、民間の航空会社が採算性がないために就航できない遠隔地のジャングル内の都市に就航する役割を1960年代以降は国営航空が担っており、TANSペルー航空は、ジャングル地帯の山岳部の観光振興の目的で2002年11月から週2回チクラヨ−チャチャポヤス間の定期便の運航を開始した。チャチャポヤスは観光客に人気のある古代インディアンの遺跡Kuelap遺跡に近いが、航空機の定期便はなかった。
チャチャポヤスは首都リマの北約650Km、アンデス山脈東斜面標高約2300mに位置する深いジャングルに囲まれた人口約20000人のAmazonas州の州都である。
事故機は1975年に製造され、1995年までペルー大統領専用機として使用された。TANSペルー航空へはペルー空軍からリースされた。