2003年1月8日午前8時49分頃、アメリカ・ノースカロライナ州シャーロット発同国サウスカロライナ州グリーンビル行きUSエアウエィズ・エクスプレス(運航はエア・ミッドウエスト)5481便ビーチ1900D(N233YV)が、シャーロット・ダグラス国際空港を離陸直後に墜落した。
この事故で乗員2名、乗客19名、計21名全員が死亡した。
事故機は、浮揚直後に左に旋回してコースをそれ、機首を下げて急降下し、600m先のUSエアウェイズの格納庫の角に接触して墜落し炎上した。事故機のパイロットは墜落直前に管制塔に異常を伝えようとしたが、すぐに交信は途絶えた。
事故機は2002年秋に燃料ポンプが燃料漏れを起こし交換し、2002年5月にはランディングギアが格納出来なくなるなどの故障歴を有している。
DFDRの初期解析結果によると、事故機の離陸時の上昇角は52度を記録しており、通常の上昇角7度を大きく上回っていた。DFDRによると、上昇角が異常となる際に昇降舵の大きな動きが記録されていた。事故機は過去にも同様の昇降舵の異常を経験しており、昇降舵システムの異常が事故原因とみられている。
なおNTSBは、2003年5月1日に乗客の体重かあるいは手荷物の重量が重すぎ、重心がずれたことが事故につながった可能性について検討していることを明らかにした。
ビーチ1900Dについては、同型機の中から水平安定板のボルトが緩んだものが発見されたことから、昨年8月にメンテナンスアラートが出され、同型機の安定板を点検するように航空各社に勧告が為されていた。
事故当時の天候は風はあるものの晴天で、視界は10マイル以上であった。
事故機はメサ・エアの子会社であるエア・ミッドウェストがUSエアウェイズ・エクスプレスの便として運航していた。事故機はコミューター便で予定飛行時間は30分であったため、客室乗務員は乗務していなかった。
事故機は1996年に製造された。ビーチ1900Dの墜落事故は本件で5件となった。