2002年11月11日午前6時10分頃、フィリピン・マニラ発同国北イロコス州ラオアグ経由ボスコ行きラオアグ国際航空585便フォッカーF-27-600(RP-C6888)がマニラ国際空港を離陸約3分後にマニラ湾に墜落した。
この事故で乗員5名、乗客29名、計34名のうち乗員1名、乗客18名、計19名が死亡した。乗客の国籍はオーストラリア国籍6名、イギリス国籍3名であった。
事故機は午前6時7分に離陸後、エンジントラブルのため緊急事態を宣言し空港に引き返そうとしたが、高度不足のため不時着水を決行し、滑走路の手前約1Kmの海上に墜落した。墜落の衝撃で機体は大きく2つに割れ、そのまま水深約20mの海底に沈んだ。複数の漁船が駆けつけ多くの人命を救った。生存者には機長と副操縦士が含まれていた。
地上からの目撃証言によると、事故機は通常とは異なるエンジン音を出し左エンジンから煙を出しながら墜落した。生存者の証言によると、離陸約3分後にエンジン音が静かになり、左エンジンから煙が出るのを見た直後にパイロットから衝撃防止姿勢をとるように機内アナウンスがあった。機体は左に傾いて墜落した。墜落後すぐに客室は海水で満たされた。
犠牲者の遺体の中にはシートベルトをしたままの状態で発見されたものもあり、墜落から水没まで時間が殆どなかったことを示していた。
事故機の離陸以降の姿は偶然ビデオカメラに収められており、墜落時は右プロペラが回っていなかったとも伝えられている。
事故機は1978年に製造された。