事故詳細

(事故No,19991031a)

 1999年10月31日午前1時50分頃(アメリカ東部時間、日本時間では同日午後3時50頃)ロサンゼルス発ニューヨーク経由カイロ行きエジプト航空990便ボーイング767-366ER(SU-GAP)が、ニューヨークのジョン・F・ケネディー空港を離陸後、マサチューセッツ州ナンタケット島沖南東60マイル(96Km)の大西洋上に墜落した。
 この事故で運航乗務員4名、客室乗務員10名、乗客203名、計217名全員が死亡した。
 事故機は高度約10000mの上空からほぼ垂直の姿勢で墜落した。墜落の直前まで飛行は順調であったが、機長が席を外した際に、突然副操縦士は「神が頼りだ」と言いながら、エンジンの出力を下げ、操縦桿を強く押した。操縦室に戻った機長は機体を立て直すために操縦桿を引き起こそうとするとともに、副操縦士に引き起こすように呼びかけたが、応じることはなかった。
 エジプト航空は、事故機の昇降舵には不具合があり、この不具合が事故の原因であると主張してきたが、NTSBは、2002年3月に最終報告書をまとめ、副操縦士の意図的な行動が事故を引き起こしたと結論づけた。副操縦士の意図的な行動の動機について、NTSBは明らかにしていないが、エジプト航空関係者の証言として報道されたところでは、機長への個人的恨みによる報復といわれている。


(C)1999-2002 外山智士
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