1994年7月2日午後6時43分、アメリカ・サウスカロライナ州コロンビアからノースカロライナ州シャーロットに向かっていたUSエアー1016便DC-9-31(N954VJ)が、シャーロット国際空港に着陸進入中に滑走路端から約664mの森に墜落した。
この事故で乗員5名、乗客52名、計57名のうち乗客37名が死亡し、乗員2名、乗客14名、計16名が重傷を負い、乗員3名、乗客1名、計4名が軽傷を負った。
事故当時、現場付近は雷を伴う強い雨が降っていた。事故機はマイクロバーストによるウインドシアに遭遇し、墜落前の15秒間で61ノットもの向かい風の減少にさらされた。機長は墜落22秒前の時点で着陸復行を開始していたが、墜落14秒前に機首下げを行ったため墜落は避けられないものとなった。
NTSBは、最大推力で最大の機首上げを行えば事故は回避できたと推測している。また、管制サイドについては、レーダーなどの観測結果について最新の情報を適切に事故機に伝達し得なかった点を関連要因として指摘している。
事故機は1973年に製造された。DC-9型機の事故は本件で74件となった。
◎関連文献(刊行年順) |
著者名 | 書 名 | 出版社 | 刊行年 | 頁 数 |
加藤寛一郎 | 「墜落 第六巻 風と雨の罠」 | 講談社 | 2001年 | 178頁〜227頁 |