1989年6月7日午前4時27分、オランダ・アムステルダム発スリナム・パラマリボ行きスリナム航空764便DC-8-62(N1809E)が、パラマリボ国際空港に最終進入中に墜落した。
この事故で乗員9名、乗客178名、計187名のうち、乗員9名、乗客167名、計176名が死亡した。
事故機はスリナム政府要人や同国プロサッカーチームの選手約20名を乗せ、前日の午後11時25分にアムステルダムを離陸した。
現場付近は濃霧のため視界が900m、雲低高度400ftと天候が悪かった。事故機は管制塔からVOR/DMEアプローチによる進入を許可されており、加えてパイロットは空港のILSが供用を停止していることを承知していたが、機長は信頼性の低いILS信号を用いてでもILS/DMEアプローチを行うことを決めた。事故機は3度目の着陸試行中に安全最低高度以下に降下し、墜落の1分前にはGPWSも鳴動していたが、パイロットは鳴動10秒後にGPWSを停止させて警報を無視した。遂に第2エンジンが高さ約25mの樹木に接触し、次いで右主翼が別の樹木に衝突して機体は反転し、逆さまの姿勢で地上に墜落した。残燃料は少なく、代替空港に向かう余裕はなかった。
事故機は1969年に製造された。
◎関連文献(刊行年順) |
著者名 | 書 名 | 出版社 | 刊行年 | 頁 数 |
デヴィッド・ビーティ | 「機長の真実」 | 講談社 | 2002年 | 286頁 |