1987年11月28日午前4時、台湾・台北発モーリシャス島経由南アフリカ・ヨハネスブルグ行き南アフリカ航空295便ボーイング747-244Bコンビ(ZS-SAS)が、モーリシャスの北東約250Km沖合のインド洋上に墜落し、乗員19名、乗客140名、計159名全員が死亡した。乗客として遠洋漁業従事者を中心に47名の邦人が搭乗していた。
貨物室の火災が、電気系統、昇降舵・方向舵等の操縦系統を損傷させるとともに、一酸化炭素等の有毒ガスを含んだ煙を機内に充満させ操縦を困難なものにした。乗客らはこの有毒ガスにより墜落前に死亡するか、意識障害を起こしていたものと推測される。
事故機の残骸の大半は水深4500m海底に沈み、ボイスレコーダー等の回収は困難を極めた。
この事故後、FAAは貨物室の耐火性に関する耐空性改善通達(AD)を発行した。
◎関連文献(刊行年順) |
著者名 | 書 名 | 出版社 | 刊行年 | 頁 数 |
デビッド・ゲロー | 「航空事故」(増改訂版) | イカロス出版 | 1997年 | 209頁 |
マルコム・マクファーソン | 「墜落!の瞬間」 | 青山出版社 | 1999年 | 85頁〜88頁 |