1987年5月9日午前11時18分頃、ポーランド・ワルシャワ発アメリカ・ニューヨーク行きLOTポーランド国営航空（LOT）のチャーター便イリューシンIL-62MK（SP-LBG）が、エンジントラブルに見舞われ、ワルシャワのオケチェ空港に引き返すために着陸進入中、滑走路から約5Kmの同市南部近郊ドンブロフカ地区の森林に墜落した。この事故で乗員11名、乗客172名、計183名全員が死亡した。
　第2エンジンのボールベアリングが磨耗し、高圧タービンの回転軸が異常回転を起こしたために、振動が発生しクランク軸が脱落、低圧タービンの中で粉々になりファンが破損し、破片が第1エンジンを損傷させるとともに、昇降舵のケーブルと電気系統を切断し、貨物室では火災を発生させた。パイロットは昇降舵のトリム・タブを用いて操縦を続けていたが、墜落を免れなかった。