1981年5月7日午前10時54分頃、アルゼンチン・トゥクマン発同国ブエノスアイレス行きAustral Lineas Aereas 901便BAC One-Eleven 529FR(LV-LOX)が、巡航中にブエノスアイレスの東南東約15km沖合のラプラタ川に墜落した。
この事故で乗員5名、乗客26名、計31名全員が死亡した。
事故機は午前9時11分トゥクマン・Benj Matienzo空港を離陸し、ブエノスアイレス・Jorge Newbery空港に向かった。午前10時35分に管制官はサン・フェルナンドVORへ向けて高度750mに降下することを許可し、同VOR通過後は滑走路13に直接進入することを許可した。午前10時40分事故機はOP VOR上空到達を報告し、着陸許可を受けた。風は方位60度6ノットから方位30度12ノットへ変わっていき、視程は減少していった。午前10時42分、運航乗務員は滑走路視認を管制塔に報告し、強雨、360度10ノットの風との最新の気象情報を入手した。その直後に滑走路が見えなくなったので、運航乗務員は着陸進入を中止することを決めた。事故機はQuilmes (ILM) NDBに向けて南進を続け、管制官は同NDB上空高度900mで待機することを許可した。運航乗務員は同NDB上空には積乱雲があるため、ラプラタ川上空600mで待機することを求めた。午前10時52分、事故機に再び滑走路31への直線進入が許可された。その直後、事故機はコントロールを喪失し、ラプラタ川に墜落した。
42日間に渡る捜索活動の結果、残骸の55〜65%は回収されたが、フライト・データ・レコーダーもコックピット・ボイス・レコーダーも発見できなかった。
墜落現場上空は、強力な乱気流と雷雨に見舞われていた。極めて強力に発達した積乱雲の空域を通過する際に気象状況の評価を運航乗務員が誤ったことが推定原因とされた。なお、ウインドシアが原因との情報もある。
事故機は1970年に製造された。