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事故詳細

(事故No,19800425a)

 1980年4月25日午後1時21分、イギリス・マンチェスター発スペイン領・サンタクルス・デ・テネリフェ行きダン・エア・サービス(本社:イギリス)1008便ボーイング727-46(G-BDAN)が、サンタクルス・デ・テネリフェのロスロデオス空港に着陸進入中、空港の南約8Kmのピコ・デ・チンゲル山(標高約1700m)の山頂から約40m下に墜落した。
 この事故で乗員8名、乗客138名、計146名全員が死亡した。
 通常の進入方式で進入中の事故機に対し、管制官が公示されていない待機方式を指示したために、この待機方法を知らなかったパイロットは不正確な航法で飛行することとなった。結局自機の位置の把握出来なくなり、迷走状態にあったにもかかわらず、管制官に待機方式の確認を行わないまま飛行を継続したために進入経路の南側にある3600m級の山岳地帯に迷い込んだ。墜落の直前にGPWSが鳴動したが、途中で谷を挟んだために一時鳴り止み、自機の危険な状態をパイロットに的確に伝えることが出来なかった。また、同空港ではノンレーダー管制が行われており、その点も原因のひとつとなった。
 スペインの公式事故調査報告書は、事故原因として機長のミスを強く打ち出したが、イギリス政府は、管制サイドの不手際を強く主張した。このイギリス側の主張は報告書に補遺として付け加えられた。
 なお、事故機は1966年に製造され、かつて日本航空、東亜国内航空で活躍したJA8318である。

◎関連文献(刊行年順)
著者名書 名出版社刊行年頁 数
デイビッド・ゲロー「航空事故」(増改訂版) 1994年167頁〜170頁
デヴィッド・ビーティ「機長の真実 ―The Naked Pilot―」講談社2002年56頁〜61頁
上記文献のうち現在も流通しているものについてはこちらで入手できます。
 


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