1975年6月24日午後4時5分、アメリカ・ルイジアナ州ニューオリンズ発同国ニューヨーク州ニューヨーク行きイースタン航空66便ボーイング727-225(N8845E)が、ニューヨーク・ジョン・F・ケネディー空港に着陸進入中、滑走路の手前約730mの地点に墜落した。
この事故で乗員8名、乗客116名、計124名のうち、乗員6名、乗客109名、計115名が死亡し、乗員2名、乗客7名が重軽傷を負った。
事故機は高度500mを飛行中にウインドシア(本件の場合はダウンバーストの中でもマイクロバースト)に遭遇し、急激に高度を失い墜落した。パイロットは計器のモニターよりも外の対象物の視認に努めていて、機体が大きく沈み込んでいることに気付くのが遅れたが、NTSBは、仮に即座に対応していてもウインドシアの規模から推測して間に合わなかったとしている。事故直前に着陸した別の便のパイロットが同じウインドシアに遭遇し、墜落しそうになった旨管制塔に報告し、滑走路を変更するよう助言していたが、管制塔はトラフィックを裁くことに精一杯で、即座に必要な措置を講じることが出来なかった。ボイスレコーダーの解析結果によると、事故機の機長が直前に着陸復行した別の便のことを嘲笑していた。燃料節約を会社側から要請されていたことや、自身の腕に余計なプライドやメンツをかけていたことが、機長の判断を鈍らせ、ウインドシア回避の機会を失わせたとの指摘もある。
◎関連文献(刊行年順) |
著者名 | 書 名 | 出版社 | 刊行年 | 頁 数 |
デビッド・ゲロー | 「航空事故」(増改訂版) | イカロス出版 | 1997年 | 135頁〜136頁 |
ディヴィッド・オーウェン | 「墜落事故」 | 原書房 | 2003年 | 96頁〜99頁 |