1974年12月1日午後7時26分頃、フェリーのためにニューヨーク州のジョン・F・ケネディー空港から、同じニューヨーク州のバッファローに向かっていたノースウエスト航空6231便ボーイング727-251(N274US)が、離陸から12分後に同州ハリマン州立公園内の森林に墜落した。
この事故で乗員3名全員が死亡した。
事故機は午後7時14分にケネディー空港を離陸し、31000ftに向けて上昇中に操縦不能となった。
離陸前にピトーヒートスイッチをオンにすべきところをオフにしたために、離陸後高度16000ft付近を上昇中にピトー管が氷結でふさがれて速度と上昇率が実際の数値よりもはるかに高い値を示すようになった。フェリーのため重量が軽いことに加え異常に強力な上昇気流に遭遇したために高速、高上昇率になったと考えたパイロットは大きな迎角をとり続け、失速警報のスティックシェーカーも音速のバフェットであると勘違いした。最終的には低速失速からディープストール、回復不能なきりもみ状態に陥り墜落に至った。
パイロットは、ボーイング727の性能を大幅に越える異常な計器の値に戸惑いながらも、計器の誤表示を疑おうとしなかったために機体の正しい状況が把握出来なくなり、回復不能の失速状態を招いた。
◎関連文献(刊行年順) |
著者名 | 書 名 | 出版社 | 刊行年 | 頁 数 |
デイヴィッド・オーウェン | 「墜落事故」 | 原書房 | 2003年 | 134頁〜140頁 |