1974年11月20日午前7時50分、西ドイツ(当時)・フランクフルト発ケニア・ナイロビ経由南アフリカ・ヨハネスブルグ行きルフトハンザドイツ航空540便ボーイング747-130(D-ABYB)が、ケニア・ナイロビ空港で離陸直後に墜落した。
この事故で乗員17名、乗客153名、計170名のうち、乗員4名、乗客55名、計59名が死亡し、乗員13名、乗客54名、計67名が重軽傷を負い、乗客44名が無事であった。
離陸前にフライトエンジニアがニューマチックシステムのバルブを開け忘れたために、ニューマチックシステムで駆動するリーディング・エッジ・フラップ(前縁フラップ)が展開せずに失速して墜落したことが判明した。フライトエンジニアはバルブが閉じている旨の警告灯の点灯にも、ニューマチックシステムの圧力計がゼロであることにも気付かなかった。
本件事故後、FAAはボーイング747型機にAD(耐空性改善通報)を出し、フラップと前縁フラップが適切に設定されなければ、離陸警報装置が鳴るように改修された。