1973年7月31日午前11時8分、アメリカ・バーモント州バーリントン発ニューハンプシャー州マンチェスター経由マサチューセッツ州ボストン経由のデルタ航空723便DC-9-31(N975NE)が、ボストンのローガン空港に最終進入中、滑走路手前の堤防に脚を接触させ墜落し炎上した。
この事故で乗員乗客89名全員が死亡した。死者のうち1名は事故の5ヶ月後収容先の病院で死亡した。事故直前、アプローチ管制で他の航空機同士のニアミスが発生し、管制官はその対応に追われ、事故機に適切な指示を出すことが出来ず、タワーに管制を移管するのも遅れ、事故機が充分な着陸体制を整える余裕を与えなかった、事故機の機長は、天候の把握や混乱した交信に注意をそがれ、機体の姿勢の異常の把握にまで手が回らなくなっていた。操縦を任されていた副操縦士は、フライト・ディレクターの設定がゴーアラウンドモードに誤って設定されていることに気付かず、計器の異常な指示に気をとられ、高度計のモニターすらもままならず、やはり機体の姿勢の異常に手を下せなくなっていた。事故機は過大な飛行速度のまま進入し、降下率も過大な状態で滑走路端に墜落した。事故当時、空港周辺は霧に覆われ、雲高も僅か高度200ftしかなく、しかも状況は時々刻々変化しており、この点もパイロットを混乱させ事故の誘因となった。