1973年4月10日午前10時13分、イギリス・ルトンからブリストルを経由しスイス・バーゼルに向かっていたインヴィクタ・インターナショナル航空(本社:イギリス)のビッカース・バンガード952(G-AXOP)が、バーゼル・ミュルーズ空港に最終進入中、空港の南約15Kmの同国ソローサン、ホーホヴァルト近郊の山岳地帯に墜落した。
この事故で乗員7名、乗客139名、計146名のうち、乗員4名、乗客104名、計108名が死亡し、乗員2名、乗客35名、計37名が重軽傷を負い、乗員1名は無事であった。
事故当時空港周辺は降雪のため視程は50m、雲低高度はほぼ地表に接し、運航が不可能な天候であったが、管制官は進入可能である旨事故機に伝えていた。
さらに、事故機のADF受信機の1台(No,1)は、不適切な修理のために正常に作動せず、パイロットはこれを悪天候のために指示が安定しないものと信じて、計器のチェックやもう1台のADFを用いて他の無線標識をモニターするなどの手順を怠ったままアプローチを続けたために、最終的にはパイロットも気付かぬ間に迷走して墜落に至る結果となった。
この事故の後イギリスでは民間航空機にCVRの登載が義務付けられた。