事故詳細

(事故No,19721013a)

 1972年10月13日午後3時30分頃、アルゼンチン・モンテビデオ発同国ブエノスアイレス経由同国メンドサ経由チリ・サンティアゴ行きTAMU航空フェアチャイルドFH-227D(T-571)が、巡航中にチリ・サンフェルナンド近郊のアンデス山中に墜落した。
 この事故で乗員5名、乗客40名、計45名のうち乗員5名、乗客24名、計29名が死亡した。
 チリに試合に向かうラグビーチームの一行を乗せ、チャーター便として運航されていた事故機は、メンドサを離陸後、航空路G17を飛行しアンデス山脈を越える予定であった。高度15000ftを飛行中に副操縦士は管制官に対しクリコ上空通過を報告し高度10000ftへの降下承認を要請したが、実際にはこの時点では、事故機は向かい風のためまだアンデス上空にあった。事故機が雲中に降下したとき激しい乱気流に遭遇し、ほぼ時を同じくしてパイロットは自機の四方が山々に囲まれていることに気付いた。パイロットは上昇を試みたが、右主翼ウイングチップが山腹に衝突し、右主翼は持ち上げられて胴体から分離し、尾翼に衝突してその一部を剥ぎ取った。左主翼も胴体から分離し、機体は雪に覆われた山肌を推定時速350Kmで滑り落ちて標高12000ftの地点で止まった。
 死者のうち8名は10月30日に発生した雪崩により死亡した。生存者は1972年12月22日まで発見されなかった。生存者は救助を待つ間、犠牲者の遺体を食べて飢えをしのいでいた。映画「生きてこそ」(原題"Alive!"1993年製作)はこの事故をモデルに製作された。
 事故機は山岳波かそれに伴うローター雲に突入したことでコントロールを喪失したものと見られている。
 事故機は1968年に製造された。


(C)2002 外山智士
ホームページに戻る 民間航空データベーストップページに戻る 世界の航空事故総覧トップページに戻る 全件表示に戻る 年代別検索に戻る 航空会社別検索に戻る 機種別検索に戻る 事故発生国別検索に戻る