1972年6月18日午後5時11分頃、イギリス・ロンドン発ベルギー・ブリュッセル行きBEA(英国欧州航空・・・英国航空の前身)548便ホーカシドレー・トライデント1C(G-ARPI)が、ロンドン・ヒースロー空港を離陸直後に失速し、同国サリー州ステインズに墜落した。この事故で乗員9名、乗客109名、計118名全員が死亡した。
離陸直後機長が循環器疾患のために急死あるいは瀕死の状態となり、乗務経験の浅い副操縦士が、速度が十分に出ていない状態でドループ(前縁の高揚力装置)を格納する誤りを犯し失速させた上、その回避操作にあたっても、騒音軽減のために絞られたエンジン出力を最大にすることなく、さらに機首を引き上げるという誤りを犯したため回復不能な失速状態に陥り墜落に至った。