1971年9月4日午後0時15分、アメリカ・アラスカ州アンカレッジ発同国・アラスカ州ジュノー経由同国・ワシントン州シアトル行きアラスカ航空1866便ボーイング727-193(N2969G)が、ジュノー空港に着陸進入中、空港の西約30Kmのチルカット山岳地帯の標高750mの渓谷の斜面に墜落した。
この事故で乗員7名、乗客104名、計111名全員が死亡した。
ボイスレコーダー(CVR)とフライトレコーダ(FDR)の解析から、事故機のパイロットが航法装置の誤った指示のために、実際よりも空港に近い位置にいるものと誤信し、山岳地帯を飛行中に降下を開始したことが原因と判明した。しかしどの航法装置にどのような誤りがあったのかは特定できなかった。その他の誘因としては、事故当時この空域にはパイパーアパッチ機が迷い込み、管制センターが、事故機にパイパー機へのメッセージの伝達を依頼しており、パイロットのワークロードの増加とコーディネーションの乱れを招いた。そのせいもあり、事故機は進入時に定められた手順のいくつかを抜かしたままアプローチを続けることになった。手順を守れば誤りに気付いた可能性があった。さらに、天候が悪く地上が確認できなかったため、山岳地帯であることに気付かなかったことも事故機にとっては不運であった。