事故詳細

(事故No,19700705a)

 1970年7月5日午前8時9分、カナダ・ケベック州モントリオール発同国トロント経由アメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルス行きエアカナダ621便DC-8-63(CF-TIW)が、カナダのトロント空港で着陸復行中に墜落した。
 この事故で乗員9名、乗客100名、計109名が全員が死亡した。
 最終進入中に副操縦士がスポイラーをアーム状態にセットしようとして誤って立てたために失速して滑走路端で第4エンジンを脱落させながら激しくバウンドし、着陸復行のために上昇、旋回したところで右主翼が爆発炎上して墜落に至った。
 事故調査委員会は、DC-8には飛行中にグランドスポイラ―が展開しないような改修が必要で、少なくともレバーに誤操作防止用のガードや切り込みをつけるべきである旨指摘した。しかし、この事故でFAAは、設計変更など根本的な改修を求めることなく、注意書きを記したカードを取りつけるよう指示しただけのAD(耐空性改善通達)を発行した。この時に根本的な改修が行なわれていれば、1972年の日本航空シェレメチェボ空港墜落事故は防ぐことが出来た可能性は否定できない。


(C)2000 外山智士
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