1966年8月6日午後11時12分頃、アメリカ・ルイジアナ州ニューオリンズ発同国同州シュリーヴポート経由同国アーカンソー州フォートスミス経由同国オクラホマ州タルサ経由同国ミズーリ州カンザス・シティー経由同国ネブラスカ州オマハ経由同国ミネソタ州ミネアポリス行きブラニフ航空250便BAC111-203AE(N1533)が、巡航中にネブラスカ州フォール・シティー近郊に墜落した。
この事故で、乗員4名、乗客38名、計42名全員が死亡した。
事故機はカンザス・シティーを午後10時55分に離陸後、計器飛行方式により高度20000ftでオマハに向かう許可を得て、高度6000ftまで上昇したが、高度5000ftに留まり寒冷前線付近の雷雲の回避を行うことを希望し、午後11時6分に許可を得て降下した。午後11時12分、事故機は激しい突風が吹き荒れる空域に突入した。突風により持ち上げられた機体は左にロールし、方向舵と昇降舵が分解し、コントロールケーブルを切断、次いで機首を下げた姿勢となって1〜2秒で右主翼が胴体から分離し、燃料タンクが破損、燃料が飛散して引火したため、機体は火の玉のように落下していった。
空中分解が発生した当時、事故機は嵐の中心から約8Km前線面の方向に進んだ地点を飛行していたが、設計強度を上回る力を機体に与えるほど威力を持った垂直方向のウインドシアが発生していたことが明らかになった。先ず非常に強力な上昇気流に持ち上げられた事故機は、直後に非常に強力な下降気流に突入した。その風圧のギャップは無風状態から数秒で毎秒44mにまで増加するほどの突風に相当したことが明らかになった。
事故機は1965年に製造された。
◎関連文献(刊行年順) |
著者名 | 書 名 | 出版社 | 刊行年 | 頁 数 |
デイヴィッド・オーウェン | 「墜落事故」 | 原書房 | 2003年 | 84頁〜88頁 |