事故詳細

(事故No,19660318a)

 1966年3月18日午後6時40分、キプロス・ニコシア発エジプト・カイロ行きユナイテッド・アラブ航空(エジプト航空の前身)749便アントノフAn-24B(SU-AOA)が、カイロ国際空港へ最終進入中、カイロ近郊に墜落した。
 この事故で乗員5名、乗客25名、計30名全員が死亡した。
 事故機はニコシア空港を午後3時49分に離陸した。航路に沿って悪天候は存在し、目的地カイロの天候も悪化していた。運航乗務員はMisrairの運航事務所とコンタクトを取り、ダイバート可能な空港について情報を求め、着氷の可能性のある乱気流を伴う雷雨の中を飛行している旨を報告した。事故機は被雷し、一方の高度計が24000ftを、他方は25000ftを示し、磁気コンパスは故障して使い物にならず、コックピットの風防には亀裂が入った。ダイバート先としてAlexandriaとPort SaidとEl Arishが検討されたが、カイロへの飛行継続を決めた。管制塔から事故機にカイロ国際空港への着陸進入と着陸の許可が与えられたが、その交信を最後に消息を絶った。事故機は滑走路から約5kmの地点に墜落し炎上した。
 事故機は最終進入中に最低安全高度以下に降下し、カイロ国際空港の北東の砂丘で左主翼を接触してコントロールを喪失し墜落した。運航乗務員が、気象状況、環境の変化に適応するのに時間を要し、計器飛行方式から有視界飛行方式に変更するのが遅れたことによって、最低安全高度を下回ることになったものと推測される。
 事故機は1965年に製造された。


(C)2004 外山智士
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