1965年11月11日午後5時52分、アメリカ・ニューヨーク州ニューヨーク発同国オハイオ州クリーブランド経由同国イリノイ州シカゴ経由同国コロラド州デンバー経由同国ユタ州ソルトレークシティー経由同国カリフォルニア州サンフランシスコ行きユナイテッド航空227便ボーイング727-22(N7030U)がユタ州ソルトレークシティー空港着陸直前に滑走路手前100メートルの地点に墜落炎上した。
この事故で乗員6名、乗客85名、計91名のうち乗客43名が死亡し、乗員6名、乗客29名、計35名が重軽傷を負い、乗客13名が無傷で救出された。
事故機は着陸直前の段階で高度が高すぎたため、通常の降下率の約3倍にあたる毎分2300ftまで降下率を上げて降下中であった。途中で副操縦士が降下率緩和のためスラストレバーを押し出そうとしたが、機長はそれを咎めた。墜落数秒前に機長も危険を感じ、スラストレバーを最大出力まで押し出したが、間に合わず墜落した。操作の遅れが事故の主な原因であった。事故機の機長は、ジェットエンジンの反応がスラストレバーの操作からしばらくたたないと得られないという基本的な事項の認識が希薄であった。
事故機はVFRで飛行していたが、事故当時ILSは作動しており事故機もモニターしていた。グライドスロープよりも遥かに高い高度は360度旋回による高度調整の必要性を示すものであったが、機長は著しく高い降下率による危険な直線進入を選んだ。
死者の多くは客室前方部の旅客に集中し、死因は墜落後の火災の煙・熱・火炎によるものであった。
事故機は1965年に製造された。
◎関連文献(刊行年順) |
著者名 | 書 名 | 出版社 | 刊行年 | 頁 数 |
デビッド・ゲロー | 「航空事故(増改訂版)」 | イカロス出版 | 1997年 | 64頁〜65頁 |
加藤寛一郎 | 「墜落 第九巻 着陸、危険な時間」 | 講談社 | 2002年 | 47頁〜62頁 |