事故詳細

(事故No,19640225a)

 1964年2月25日午前2時5分、メキシコ・メキシコシティー発アメリカ・ニューオリンズ経由同国ジョージア州アトランタ経由同国ニューヨーク行きイースタン航空304便DC-8-21(N8607)が、ニューオリンズ国際空港を離陸直後、空港の北東約30Kmのポンチャートレン湖に墜落した。
 この事故で、乗員7名、乗客51名、計58名全員が死亡した。
 フライトデータレコーダ(FDR)が回収できず、残骸の回収も難航したため、事故調査は困難なものとなったが、水平安定板が機首下げ方向一杯に設定されていた事が分かった。事故機は、事故の前日も水平安定板がパイロットの知らない間に機首下げ方向に設定される故障が発生しており、過去の故障歴を調べても、同じトラブルが頻発していた。このトラブルの原因はピッチ・トリム・コンペンセーター(PTC)の欠陥と装着ミスの競合によるものであることが明らかになった。即ち、意図しない水平安定板の動きはPTCの欠陥によるものであり、PTCが逆に取りつけられていたことで、水平安定板の誤作動がより大きなものになった。誤作動が発生したのは高度6000ftであり、適切な回避操作を行なったとしても墜落が避けられた可能性は少なかったといわれている。
 DC-8においては、かねてから同種のトラブルがしばしば報告されていたが、ダグラス社はこの事故を契機にPTCの駆動ベルクランクの変更や、コックピットに警告灯を設置するなどの改修を行なった。


(C)2001 外山智士
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