(事故No,19631208a)
1963年12月8日午後8時59分、プエルトリコ・サンファン発メリーランド州ボルチモア経由ペンシルベニア州フィラデルフィア行きパンアメリカン航空214便ボーイング707-121(N709PA)が、フィラデルフィア国際空港への着陸のための空中待機中、メリーランド州エルクトン(Elkton)でトウモロコシ畑に墜落した。
この事故で乗員8名、乗客73名、計81名が死亡した。
落雷を受け、左翼燃料タンクの空気孔から出ていた気化した燃料に稲妻が引火して爆発、左翼端が失われると共に、燃料タンク内の燃料に引火して火災となり、墜落にいたったもの。
事故直後、アメリカ連邦航空局(FAA)は、米国籍の民間ジェット旅客機に対して放電装置の設置を勧告する耐空性改善通報(AD)が発行された。
当時、航空燃料としてJP-4ジェット燃料が使用されていたが、本件は、より引火性の少ないケロシン系ジェット燃料が航空会社によって採用されていく契機を作った事故である。